断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

午後からCorrie Moreauさんの発表「Ants, Clocks, and Rocks」。上手かったし、面白かった。アリの紹介から始まって、分子時計の理屈まで、どれもわかりやすい内容だった。感心したのは、あれだけ分子をバリバリやっていながら、形態についてもよく知ってい…

この博物館の昆虫担当のcuratorの面接が始まった。アメリカの優秀なポスドク勢揃いといった感じで、これからのチョークトークが楽しみだ。アリ、ヒメバチ、ハムシ、ガ、チョウ…。個人的にはアリの人が来ると嬉しいんだけど、どんな人だろう。明日はその人の…

今日は日曜なので休む。オスカーを観ながら溜まっていたRAWファイルの現像。ソフトを変えたら驚異的に楽になった。オスカーは放映時間だけで4時間半、その前に特集番組がある。 北隆館の大図鑑改訂で、蝶蛾編が最初に出版された。珍しく、神保君が酷評してい…

サメの漁業規制。たしかに鰭だけ切って捨ててしまうというのはいただけない。http://www.sankei.co.jp/seikatsu/shoku/070223/shk070223001.htm 4月から調査の前にいくつかの原稿を仕上げたく、今日は休日出勤。原稿の合間に解剖をする。志賀針で作った自作…

少し前から最近にかけて読んだ本。 「日本残酷物語」という一見B級映画のようなタイトルに臆してはいけない、といっても○○残酷物語という名称は、約45年前に出版されたこのシリーズを発端として流行したものだそうだ。明治から戦前くらいまでの日本の庶民の…

学名の発音を人によっては自分の母語風にする。とくにドイツ語圏と英語圏に顕著で、「英語圏では英語流に発音しないと通じない」という記述をしばしば目にする。しかし、アメリカへ来て10人近い動物学者と話した限りでは、私のラテン語(に近いと思われる)…

他人のブログにおいしいラーメンの話が書いてあると、読まずに閉じることにしている。 こちらでは天気予報に規制がないので、テレビ局によって天気予報が全然違う。Weather Channelという権威ある天気予報専門局では、来週また気温が下がると言っているが、…

「Biology of Anomura II」を頂戴する。国際甲殻類学会の異尾類シンポのProcである。Anomuraとは異尾下目(ヤドカリ下目)のことで、ヤドカリ、タラバガニ、アナジャコ、カニダマシなどを含む。中央博の朝倉さんを編集長として出版されたもので、Procながら…

もう一つ、多くの成果を挙げるのに必要な採集がある。それは土壌採集である。通常の採集では採れない土壌性の甲虫が採れる。まず、シフターという道具を使い、土壌を採集する。シフターの中段に1センチ目くらいの金網があり、地表の落葉落枝とその下の土をシ…

さて、専門外の分類群でも一通りの甲虫を採集しようと思ったのは、ウィーンの博物館を訪れた際、そこの館員たちの1回の調査の成果を見て圧倒されたからである。その成果とは量と質である。まず量がすごい。1度の調査で甲虫だけで数万頭は必ず押さえてくる。…

知り合いの研究者から、マレーシアのGombakで採集した糞虫に新種があり、記載するとのご連絡をいただいた。種小名はお世話になっているロスリーさんのお名前をお願いした。かなり大型で目立つものなので、きっと喜んでいただけるだろう。 いつも海外へ採集に…

北米産ケアリ同定の続き。現在D論でAcanthomyops亜属の検討を行っているRaczkowski氏に、一足先に一通りの同定標本を頂いた。だから楽チンと思っていたら、やっぱり落ちないものがある。形態ではある種に落ちるのだが、分子ではキッパリ分かれており、よくよ…

大事なのを忘れていた。カメノコハムシ。http://www.biol.uni.wroc.pl/cassidae/katalog%20internetowy/index.htm

ゴミムシダマシの頁。眼福。http://www.tenebrionidae.net/

ようやく挨拶状を印刷し始めるも、はがきが硬すぎてプリンターが壊れそうになり、あわてて修理する。日本からもってきたプリンターなので、大事にしなければならない。こちらでも安くプリンターを売っているが、買っても確実に日本語が印刷できるかどうかわ…

週末は読書と好蟻性昆虫HP作成をして過ごした。本は吉村昭の「赤い人」と新田次郎の「珊瑚」。前者は北海道開拓で過酷な労働に従事した囚人たちの話、後者は五島列島で珊瑚漁に生きた人たちの話で、どちらも明治時代の史実を背景とした創作である。本当に…

停電から復旧。電子レンジとストーブを同時に点けないように気をつけよう。 午後からSEM。すごい形質発見!やっぱり形態は面白い。電顕の威力も思い知った。電顕資料作成に超音波洗浄器(メガネや貴金属用)を注文した。薬品処理では取りきれない汚れがある…

林さんによる海岸性甲虫の紹介。すばらしい。図鑑に出ていないものも多く図示されている。ただしここに出ているのは序の口で、林さんはもっと珍しいものをたくさん採集されている。日本海側は干満の差が少ないので海岸性甲虫は少ないはずなのだが、一時に採…

レッドデータ検索http://jpnrdb.com/ すばらしいものができた。しかし改めて感じるのは、地方版で信じられるものが非常に少ないこと。掃いて捨てるほどいる普通種なのに、不人気分類群であるために一度しか記録がなく、そのために稀少なものと判断されている…

昨日の帰りは寒さで引き返そうと思った。シカゴは風が強く、風は寒さを増長させる。そして、ただの気温よりも体感温度が重視される。昨日の気温は-20℃くらいだったが、体感気温は-30℃くらいだった。今朝は風なかったので、気温こそ昨夜と変わらなかったが…

寒い・・・。部屋の気温は17℃。一見高いようだが、じっとしているには寒い温度。外はマイナス20℃くらい。気温が低いと暖房にも影響するようだ。 虫屋のDMちゃんが入籍して、こんどZ虫のYN夫妻と同じアパートに入るらしい。めでたい。 "Scuttle Flies: The Ph…

和文の論文を読んでいて気になるが、以下のような文章。 原稿をお読みいただいたXX博士には厚くお礼申し上げる。 何か変だと思いませんか。「いただいた」がおかしい。少なくとも以下のように書けば問題ない。 原稿をお読みくださったXX博士には厚くお礼申し…

寒波の影響が日に日に強まり、今日あたりから朝は冷凍庫以下の気温になった。脾弱なのか、薄手のズボンで外を20分以上歩くと、足の内側が軽い凍傷になる。股引の必要性を感じた。

昨日は夕方からNHK関係の製作会社の方が来て、少し相談した。企画が通れば嬉しいのだが。その後、ダウンタウンにある「McCormick & Schmick's」という魚介のレストランへ行き、ダンジェネスクラブ、生ガキ、スチールヘッド(ニジマスの降海型)などをご馳走…

昨日は1月も最後か、と書いたが、時差のまま書いているので、こちらは今日が本当の月末である。 今日は猛烈に寒い。しかし今週末はさらに寒いようだ。天気予報では「Brutally cold」、最高気温が「-9」と書いてあった。これは華氏なので、摂氏に直すと-22.7℃…