断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

2020-01-01から1年間の記事一覧

学名の献名について

学名の付け方に対する考えは人それぞれだがど、私は第一発見者の名前の学名を付けるのが基本で、その人の学名を既に他でつけたとか、共著になっているとか、あるいは同時期に他にたくさんの採集者がいる場合には、地名とか形態とか地名から付けたいと思って…

驚異の標本箱 裏話2

キャッチコピーと文章 いずれも私の担当で、必要に応じて撮影担当者のコメントで訂正するという作業で進めた。吉田さんの文章センスがすばらしいので、前書きをふくめ、表現が磨かれた。キャッチコピーに関しては、軽く自画自賛する程度に、なかなかうまいも…

驚異の標本箱 裏話1

書名 書名は販売において重要である。今回もかなりの議論になった。出版社側からは「図鑑」という言葉を入れたいという提案もあったが、図鑑少年の私には図鑑という言葉に思い入れがあり、それだけはやめさせてくださいと言った。そんなとき、吉田さんが「標…

驚異の標本箱

10月16日に新しい本が出版される。 その名も『驚異の標本箱』 本当にすごい本を出させていただくことになった。 吉田攻一郎さんと法師人響さんとの共著で、160ページのA4変形の豪華本である。昆虫標本の写真集で、全編に深度合成を駆使した美しくも鮮明な写…

海外の野外調査で気をつけること

海外で一番怖いのは人である。だから海外に調査に行くと、出来るだけ早く都会を抜け出し郊外へ、そして人の少ない調査地へと急ぐのが鉄則である。どの国でも田舎は安全なことが多い。やむを得ず街中に滞在する際には、相当に気を張らなくてはならない。場合…

私の作文放浪

高校生くらいから文章を書くのが好きで、懸賞作文のようなものに何度か出したこともあった。大学受験のときには後期試験に小論文が予定されていたので、駿台予備校の小論文と英文翻訳の模試を受けたが、とくに誰からの指導も受けず、良い成績だった。それで…

師匠来る

私が学部時代に師事した直海俊一郎博士が、3月から私の職場の協力研究員として在籍することになり、福岡へ引っ越してきた。 早いもので今から25年前、1995年の学部3年生のとき、直海さんに昆虫分類学の教えを乞うべく、弟子入りした。師匠や弟子などと言うと…