断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

2015-01-01から1年間の記事一覧

メクラチビゴミムシ

来年3月に昆虫学会と応用動物昆虫学会の合同大会が大阪でひらかれる。今回の「発表要綱」を読むと、「差別用語を含む昆虫和名などの使用は避けてください」という記述があり、少し驚いた。 昆虫学会第76回・応動昆第60回合同大会-大阪府立大学 | 発表要綱 …

世界最高峰のアリヅカムシ

学生がスマトラに出かけたときにFITを仕掛けてくるようにお願いした。その産物に以前より見たかったアリヅカムシの一種、Colilodion concinnusが入っていて狂喜した。小檜山先生風に立体的な標本にした。体長2.5mm。

いきもにあ

週末に京都で開かれていた生き物好き系文化祭「いきもにあ」に少しだけ顔を出した。すばらしい行事だった。 ホーム - equimonia 京都市内が込みまくっていて、京都駅からバスで一時間もかかって、ようやく会場に着いたら、もう残り1時間しかなく、いそいで…

ヒトダマハネカクシ

ヒトダマハネカクシの生態に関する論文が出版された。 Cryptic diversity, high host specificity and reproductive synchronization in army ant-associated Vatesus beetles Christoph von Beeren · Munetoshi Maruyama · Daniel J.C. Kronauer · Molecula…

新しいフラッシュ

中国製のマクロツインフラッシュを落手。微小種のマクロ撮影する人みんなが「こんなのが欲しかった!」と悶絶する設計。島田さんや吉田さんなど、知り合いにも買った人がいるので、壊れやすさ等をお試し中。非常に軽いし、使い勝手がいいし、これで頑丈だっ…

出たみたい

日本昆虫分類学会誌に2本の共著論文が出た。吉富さんありがとうございました。 Vol. 21(2) - JJsystEnt まずは、みなさん待望の日本産ハラブトハナアブの論文。教え子の弘岡君の修士論文で、一念発起して体裁を整え、この秋に投稿したもの。ハナアブの大家で…

クサアリ

正月前に軽くチェンマイに行くことになった。軽く1週間ほど。 年内に済ませたい論文がいくつかあって、それまでに終わらせるべく準備している。 クサアリの3新種も先が見えてきた。液浸標本が膨大にあって、なかなか進まなかったが、バイトの学生さんにずい…

書評 湿地帯中毒

中島 淳「湿地帯中毒: 身近な魚の自然史研究 (フィールドの生物学)」(東海大学出版部) たいへん面白かった。このシリーズは全部読んだが、間違いなく3本の指に入る。 内容の面白さもさることながら、漂漂とした筆致がとても良い。研究の過程にはさまざまな…

コスタリカだより7 帰国しました。

一昨日の夜に福岡に到着。幸い、あまり時差ボケもない。昨日は久留米の青少年科学館で「きらめく甲虫」の出張展示の設営を行った。 ーーーー 最後のグンタイアリの引っ越し観察では、バーチェルグンタイアリの女王を見ることができた。とても大きくて立派で…

コスタリカだより6 帰る

現在、こちらは24日の昼の2時半。今日の夕方、こちらを出発し、深夜の便で帰路に就く。 金尾君があと3週間残り、調査を続けてくれることになっている。 ーーーー 一昨日、ようやく良いツノゼミが採れた。これまで採ったことのない属で、たいへんうれしい。幼…

山本君

教え子の山本周平君が甲虫学会で若手奨励賞を受賞した。おめでとう。 山本君は学部1年のときから私の部屋に出入りしていて、現在博士2年生。一番付き合いの長い学生である。がんがんと良い論文を書いている。 こういう賞は博士取得後の中堅研究者に与える学…

コスタリカだより5 爬虫類

イボヨルトカゲ、ドロガメ類、オウムヘビ、マツゲハブ。このほかにフェルデランスという大人でも噛まれると20分で死ぬというヘビを5回ほど見た。大人しいヘビなので、こちらに気づくとすぐに逃げていくが、森に入るには細心の注意を払っている。また、周辺の…

コスタリカだより4 カエル

今日はずっと雨なので部屋でぼーっと休みながら写真を現像した。こちらは生き物全般に多いが、雨が多いせいか、とりわけカエルが目につく。とくにアマガエル科が多く、昨日のアカメアマガエルに代表される大型のものから、かなり小さいものまで多様である。 …

コスタリカだより3

残すところあと5日。3週間はあまりに短い。しかし、ここ数日、見たかったものを見ることができている。 一番見たかったアカメアマガエル。道を歩いていたら、上からボトっと落ちてきた。 金尾君がメキシコエボシツノゼミを見つけてくれた。普通種のようだ…

カンボジア初の好白蟻性ハネカクシ 文藝春秋

卒業生の金尾君の最新論文(博士論文の一部)が出版された。カンボジアから8新種を記載した大変な力作。カンボジア初の好白蟻性ハネカクシの記録ともなった。主にアンコールワット周辺で採集したハネカクシが研究材料となっている。 http://www.mapress.com…

コスタリカだより2

毎日雨ばかりで、一日の活動時間が少ない。しかし、年齢的に体力があまりないので、雨に強制されて休み休み調査することになり、このような比較的長い滞在にはちょうどよいのかもしれない。 今日は良いものを見た。ビワハゴロモPhrictus quinquepartitusに随…

コスタリカだより

コスタリカへ来て5日目。ツノゼミの調査は今ひとつだが、いくつか目的のものが見つかり、肩の荷が下りた。 ここはとにかくグンタイアリが多く、時間が有り余っているので、それも調べている。毎日いくつもの引越しを見つけられて、興奮の毎日である。 全体に…

明日からコスタリカなのでいろいろ

先日コガネムシ屋さんがお見えになり、標本を見ていただいた。その際、お土産に貴重なヒゲブトオサムシを頂戴した。こういうのが一番うれしい。おせんべいに次ぐ。 「可愛い教え子」の弘岡君の修士論文がようやく出版されることになった。ここまで直すのが大…

疲れ気味

土曜日は出勤。ふとコーヒーを淹れようとしたら、まちがった。疲れている。 茶坊主にコガネムシの希少なものの標本を作ってもらった。 今日は休みにして、畑に出かけた。ソラマメとエンドウ、グリーンピースを植えた。ダイコンはかなり太くなった。スティッ…

空港展示

久しぶりの福岡空港(第1ターミナル)展示の更新。いつもは夜だけど、今日は夕方の空いている時間に作業させていただいた。それでもお客さんが通ると作業中断したりして、少し気を遣う。今回は細谷さんに原稿を書いてもらって、佐伯さんに英訳原稿を直してい…

情熱大陸 その後

今日は本当に久しぶりの雨。秋でカラっとした天気は気持ちの良いものだったけれど、家庭菜園にとっては恵みの雨。タマネギも安心。 ーーーー 来週に長期遠征(コスタリカ)を控え、気ぜわしい。しかしながら、先日の「情熱大陸」について、記憶の新鮮なうち…

タマネギ植え付け 捕虫用蛍光灯

今日は事前に予約しておいたタマネギの苗を買って、植えつけた。写真を撮るのを忘れた。このところ雨がなかなか降らず、かといって頻繁に水をやりに行けないので、根付くのか不安である。 ーーーー 新しく導入することにした灯火採集の光源。台湾に行ったと…

五島列島の中通島へ

台湾から戻って研究に本格復帰と思っていたが、忙しくてなかなか手があかない。 22日と23日は1泊で五島列島の中通島の鯛之浦教会へ行ってきた。6年前に当館に700箱の標本を寄贈してくださった烏山神父が新たに200箱を寄贈してくださることになり、トラックを…

畑日誌

2週間ぶりの畑にでかけた。涼しい日が続いているが、野菜の生育は順調である。 スティックセニョール(ブロッコリー)は収穫間近。 ブロッコリー、カリフラワー、メキャベツ。 レタスは順調。 ゴボウ。キク科らしい雰囲気。 サトイモは来週収穫。 ダイコンは…

蘭嶼の寶石

10月8日から14日まで台湾に出かけていた。9-11日は蘭嶼(前後は移動で、採集は1日のみ)、12-15日は阿里山と鹿谷郷というところに滞在した。ツノゼミが目的だったのだが、どうにもふるわず。 蘭嶼でカタゾウムシやカタゾウカミキリを見ることができたのは収…

情熱大陸の見逃し配信

gyao.yahoo.co.jp www.youtube.com GYAOとYouTubeでしばらく見られます。こんどの日曜日まで。 これからつらい海外調査のときには葉加瀬太郎の情熱大陸を脳内再生して挑みます。 www.youtube.com

宝満山

週後半は展示の撤収と新たに始まる展示の設営でバタバタだった。相変わらず部屋が散らかっているし、はやく研究を戻らなければと焦りがつのる。昨日は長い間お世話になった事務の梅野さんのの送別会と新しくパートで標本のデータベース作業をしてくださる方…

情熱大陸

来週の情熱大陸に出演します。 http://www.mbs.jp/jounetsu/ http://www.mbs.jp/jounetsu/2015/10_04.shtml www.mbs.jp

クサアリ採集

土日はつくば市周辺で、大阪教育大の学生さん2人、そして農大の杉本君と、クサアリの採集をしていた。10年前に森林総研の濱口さんらが発見した巣を再訪することになったのだが、大半の巣は変わらずにそのままだった。クサアリの巣が長生きであることを再確認…

昆虫学会 おわる

18日に各種委員会があり、19日から21日まで箱崎キャンパスで昆虫学会大会がひらかれた。 今回は20日と21日にシンポジウム「昆虫博士になるには」と「昆虫学者、世界をまわる」があり、これが私の一番大きな担当だった。 前者は以下の内容で4人に講演をお願い…