断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

2012-01-01から1年間の記事一覧

今年の成果と反省 1月のペルーを皮切りに、3月のタイ、5月の中国、6月のタイとカンボジア、8月のカンボジア、10月のマレーシアと、あちこち飛び回った。ペルーは当然面白かったが、新発見といえばカンボジアが断然だった。今年記載した1新属2新種のコガネム…

乾燥した道。ここはまだ湿っているほう。日向の草本はすべて枯れていた。 延々と続く茶畑とコーヒー畑。そのなかに点々と林が残っている。カシ類を主体とした典型的な季節性亜熱帯林。乾燥のため、スプリンクラーで放水していない作物は育ちが悪い。 茶畑が…

ネットは通じない予定だったが、こんな山奥の町にいるのに通じてしまっている。 成果はいま一つ。予想の三分の一以下。土埃がひどいくらいにどこも乾燥が激しい。例年より雨が少ないようだ。 7時に起きて山に行き、採集して、昼寝をして、また採集して、帰っ…

ちょうど10年前、2002年のいまごろ、博士論文で心をすり減らして、ちょっと頭がおかしくなっていた。2002年3月に博士論文の執筆を開始し、終わるまでは一切休まないと決め、それを貫いた。 ここ1か月は図鑑の作業が本格化しており、他の雑用もいっぱいあるが…

みなさん、ご協力ありがとうございます!! ↓ アメリカがこんなことになるなんて、情けない・・・。 ーーーーー シカゴのフィールド自然史博物館(Field Museum of Natural History)はアメリカを代表する巨大博物館の一つで、世界的に貴重な資料を収蔵して…

今年最後に論文が一つ出版された。 この夏のカンボジアでシロアリの巣から見つけたもの。世界最小のコガネムシで、体長は1.2ミリメートルほど。雄の陰茎は体長の半分という巨大さで、卵は雌の体内の大部分を占める。昆虫の小ささの限界は生殖関係器官の小さ…

今日は朝9時からいろいろな作業。朝一番で展示室の黒板の撤去(大講義室を改装して作ったため、黒板が残っていた)に立ち会い、それから新しい昆虫標本室の新しい棚入れ、本棚の移動、標本の大移動を、学生さん3名と矢田先生に手伝っていただいて進めた。納…

金曜日は3時まで原稿を書き、1時間と2時間ずつ仕事で抜けたが、18時間連続で原稿を書き続けるという偉業を達成した。学生時代から集中力が異常だと言われたが、面白いことには時間を忘れてしまうと言う一種の病気だと思う。明らかに体に悪い。疲れ自慢のよう…

アリの巣をめぐる冒険 自著が出ました。これまでの研究と調査の記録で、野外調査を基本に基礎生物学を研究する若者に向けた本です。分類学ってなんだろう。どんなことをして、どんなことを考えて調査や研究をしているのだろう。という疑問を持っている人や、…

朝一番で大学へ。ひたすらに執筆。 午後に標本室の整理で、学生さん3人に手伝ってもらい、絨毯を張り替えたり、移動予定の標本を紐で結えたりした。 19時から昆虫学教室の忘年会。昆虫学教室92年の歴史のなかで、教授不在の年は初めてだそうだ。私は仕事があ…

ひたすら執筆。とはいかず、いろいろと雑用が入る。 今年消化すべき予算関係の仕事が多く、2月にかけて思いやられる。

夕方に昆虫学教室のゼミを見に行く。伊藤さんの発表で、ヨコバイが作る絹糸の論文紹介だった。 たしかに新知識としては面白かったが、分析法や化学成分の意味に不明点が多く、消化不良気味のところもあった。論文を選ぶときには、多少とも研究室に関連のある…

疲れ果てて大学へ。 メールの返信で一日が終わった。標本も発送した。 芸術家の黒川良一さんの助手の方が標本を下見に来た。 - 先日出版された山本君の論文がイギリスのガーディアン紙で紹介された。 http://www.guardian.co.uk/science/2012/dec/02/new-to-…

朝一番の電車で、福岡へ。中峰さんの住んでいる横山の駅から神戸電鉄に乗って、北神電鉄というのに乗り換えて、新神戸から新幹線に乗った。新幹線のなかで中峰さんにいただいたピンセットをしげしげと眺めて涙が出た。 イノシシをいただけるとのことで、早速…

昨晩の興奮が冷めやらず、よく眠れず。 朝、タケとササに関するシンポジウムの前半を聞いて、マキノを出発した。昨日の講演で、私が「植物にtribeはあるんでしょうか」と言ったのだが、それを聞いていたタケ分類の小林先生がわざわざスライドにその説明を加…

11時の新幹線で京都へ行く。京都で湖西線に乗り換え、マキノへ。これがとても遠かった。関西の土地鑑がないので、距離を見誤っていた。途中で人身事故の影響で寒いなかホームで1時間近く待たされたりしたが、なんとか17時ごろにマキノの「種生物学会」会場に…

事務仕事で19時までバタバタ。そのあとに原稿書きシコシコ。鬼のようにメール打ち続けても終わらない。2月の公開講演会の会場がなんとか取れて一安心。 昨日の深夜にウサギを修正した。名人であるみきさんやパラ子さんに褒めていただいた。いつか博物館で講…

年度末までに消化する仕事も多い。予算の締め切りが怖い。予算の使いすぎの見極めが難しい。今年は私が主体的に動いている事業が多いので、2月ごろに調査を入れなくてよかった。 午後から種生物学会のスライド作り。聴衆がどういう人たちかわからないのだが…

年末までの仕事や原稿の締めきりが山積しており、身動きが取れない。最近は図鑑の原稿に集中している。大変だけど結構楽しい。 週末の夜はフェルトで仔ウサギを作った。シカゴにいたときに近所の講演にいたのを思い出しつつ。

明日から豊橋で甲虫学会だが、いろいろと所用が重なっていけないことになってしまった。とても残念。代わりに山本君が自信満々に発表してくれることになっており、心強い。昆虫学会の九州支部会も重なっている。 来週は種生物学会。楽しみだ。

昨日今日と原稿書きに追われた。ひと段落。明日は別のものを終わらせる予定。今日は3回ほどちょっとだけ席を立っただけで、ほぼ9時間座りっぱなしだった。帰りに腰が痛くなっていた。寒さもあるのだろう。もうちょっと運動しなければ。 - 畑のダイコンはすく…

21時半に空港に行き、展示パネルの交換を行った。今回は福岡県の希少な魚類の続きで、中島淳さんに、アリアケヒメシラウオ、ヒナモロコ、セボシタビラについて書いていただいた。

今日は伊都祭に行き、生物研究部の展示を見て、米田君の卒論の相談に乗った。とても面白そうなので、応援したいと思った。実は私も前から面白いに違いないと思っていた分類群で、着眼点が良い。 - 日本産ハネカクシの目録を作っており、ここ数日はそれと格闘…

そして今日はイノシシの回収に向かった。詳細は省略するが、心動かされる出来事だった。命の力は強く、重い。

天神の「かね萬」にて、イノシシを食べながらイノシシを捕獲する。 イノシシといえば、固くて臭いという印象しかなかった。しかし、これがとてもおいしい。イノシシは殺し方、処理の仕方に工夫がいるそうで、流通している肉の大部分が誤った方法で処理された…

待ちに待った論文が出版された。Eocyrhthoderus incredibilisという好白蟻性コガネムシの新属新種。この6月にカンボジアで見つけて、腰を抜かしたもので、「アリの巣をめぐる冒険」でも発見の様子に触れている。この種の属するCorythoderiniという魅力的な一…

昼から滋賀県立びわ湖博物館を訪れ、西日本自然史ネットワークの「プラスティネーション講習会」に参加する。ちょうど伊都キャンパスでの展示を準備しており、この技術ができないかと考えていた。まさに渡りに船の企画。 参加して大正解。現場を見てみないと…

昆虫大学2日目

秋晴れ。午後から講演で、ものすごく緊張していた。なにより知人が一杯いるのが緊張する。会場についてみるとすごい人出にびっくり。60人席に同じくらい立ち見の人がいる。大緊張で、普段よりさらに滑舌が悪くなってしまった・・・。 - 会場の様子を簡単に紹…

昆虫大学1日目

昨日は、「昆虫大学」の準備で、東京へ移動。昼に到着し、会場に駆け付ける。メレ子さんがこちらが送った「アリの巣の生きもの」展のパネルを受け取ってくださり、さっそく、小松君と設置を始める。会場はその前の使用者による壁の落書きがひどくて、メレ子…

アリの巣をめぐる冒険 自著が出ました。これまでの研究と調査の記録で、野外調査を基本に基礎生物学を研究する若者に向けた本です。分類学ってなんだろう。どんなことをして、どんなことを考えて調査や研究をしているのだろう。という疑問を持っている人や、…