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断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

記載にさきがけて環境省レッドリストの「情報不足」に選定したヤチハネカクシAdinopsis nipponの記載がようやく出版された。利根川水系で発見された湿地性ハネカクシの一種で、2ミリ程度の微小甲虫だが、トキと同等に重要な日本の湿地生物として、同じ学名にした。
亀澤さんと利根川の下流のアシ原で最初にこれを採集したとき、普通属のMyllaenaだと思って放置していたのだが、その亀澤さんがあとでAdinopsisだと気づいてくれた。この属は汎世界的に分布し、どこでも形態は大きく変わらない。原始的な形質を多く保持しており、ハネカクシのなかでは「生きた化石」ともいえる仲間。一番近い同属種の産地は香港だが、一番近縁なのは北米の数種といういわゆる「北米要素」の昆虫。
Maruyama, M., Kamezawa, H., 2013. Adinopsis nippon, a new species of marsh-dwelling rove beetle (Coleoptera: Staphylinidae: Aleocharinae: Deinopsini) from Japan, with an annotated catalogue of Adinopsis species of the world. Zootaxa 3669: 076–084
http://www.mapress.com/zootaxa/2013/f/zt03669p084.pdf