断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

伊坂幸太郎、キター!!

私の好きな作家、伊坂幸太郎が「子供へ贈る本」として「ツノゼミ ありえない虫」を選んでくださった。とてもうれしい。

http://honto.jp/cp/hybrid/2014/okuribon?partnerid=okuribon

ちなみに伊坂幸太郎は、さわやかすぎるとは思っているが、全部読んでいる。「アヒルと鴨のコインロッカー」、「フィッシュストーリー」など、忘れ得ぬ傑作が結構ある。

 

 

できる女

帰国直後に本の初校が届いて、その訂正に忙しい。なぜって、今週末から再びタイに行くからである。でも疲労困憊中。

事務のお姉さんに「出張報告書を出してください」と3回言われたので、今日書こうと思ったら、また「もうブログ見て提出しました」と言われてしまった。申しわけない。でも、優秀すぎて頭が下がる。しかも美人。とにかくごめんなさい。

ちなみに「ツノゼミとヒゲブトオサムシなどを採集した」と書いてくださったようだ。

裏山の奇人 野にたゆたう博物学

相棒の小松君が本を出すことになった。私の「アリの巣をめぐる冒険」と同じ「フィールドの生物学」。これは話題必至。だいたい、こんな題名があっていいのだろうか。出たらまた報告します。

【書 名】フィールドの生物学14   裏山の奇人 野にたゆたう博物学
【著 者】小松 貴(九州大学熱帯農学研究センター)
【体 裁】B6判 288頁  並製
【定 価】2160円(税込)
【著者割引】1728円(税込)
 ・尚、送料は400円 (5冊以上は送料小会負担です)
【発 行】東海大学出版部 http://www.press.tokai.ac.jp
【発売日】2013年7月30日・発送は7月30日以降になります
【ISBN】ISBN978-4-486-01994-7


【内 容・目次】

生き物に魅せられた怪しい男が、近所の裏山から地球の裏側までを徘徊する。名もなき博物学者の「怪」進撃

はじめに
第1章 奇人大地に立つ/幼年期/義務教育課程以後
第2章 あの裏山で待っている/小松友人帳/アリヅカコオロギの謎
第3章 ジャングルクルセイダーズ/東南アジアを征服せよ/命に関わる話/南米を征服せよ
第4章 裏山への回帰/ポスドク迷走/進撃の奇人/神秘の欠片を集める旅
第5章 極東より深愛を込めて/かならずペルーに勝ちに征く/熊楠になりたい
あとがき
引用文献

トマト近況

今朝はあまりの疲労に布団から立ち上がることができなかった。タイにいたときには元気に過ごしていたのに、不思議なものだ。

不在中、研究員の瀬戸さんに水やりをお願いしていたおかげで、久しぶりのトマトは元気だった。大学について、まずは熟しているのをお腹一杯に食べた。気温が低く雨が多かったからか、まだ甘味が少なく、梅雨明けからおいしくなりそうだ。

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とても嬉しかった虫・とりあえず撮影した虫

ストロボを少し改良して、なかなか満足のいく写真が撮れるようになったので、少しだけ公開。最近、好蟻性軍団(小松・島田・丸山)は全員100ミリマクロに切り替えた。

これ。↓ 高いし、重いけどすごくいい。手ぶれ補正がしっかりしているので、青空や背景を写したいとき、1/60程度でも、片手で撮影ができる。

Canon 単焦点マクロレンズ EF100mm F2.8L マクロ IS USM フルサイズ対応

 

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Euplatyrhopalus tadauchii 猛烈にかっこいいヒゲブトオサムシ。

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Ichthyurus sp.  コバネジョウカイのなかま。

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Kalidasa nigromaculata フチドリヒメハゴロモ。

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Systella rafflesi コノハバッタ。

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Nilautama typica トゲアトキリツノゼミの一種。

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Amblyomma sp. 巨大なキララマダニ。

帰国

今朝、タイから帰国した。滞在中の8割は雨という最悪な状況で、成果は目標の3割程度。クワガタなどの大型甲虫は完全に季節が終わっていた。その代わり、ホタルがたくさんいてきれいだったり、真新しい好蟻性昆虫もいくつか見つかったりして、良いところもあった。

同行の山根さんのほうは、大成果とのことだった。ここはタイで一番の「すごい」採集地だと思っているが、アリの多様性はそれを裏付けるものだったようだ。本当に底知れない場所なので、来年以降も毎年行くことにした。

ちなみに一番の目標だったヒメサスライアリのハネカクシはかすりもしなかった。4人のアリ屋が探しても、そもそもヒメサスライアリ自体が滅多に見つからない。このゲンカチャン国立公園では毎回こんな感じだし、マレー半島のエンダウロンピン国立公園でも同じような結果が続いている。かねてよりヒメサスライアリは、真に原生的な環境の良い場所(ゾウとトラがいることが基準)ではコロニー密度が低いと思っているが、そのことを再度確信する結果となった。

今回は修行の前後にタイ在住の虫屋さんたちに大変お世話になった。ありがとうございました。

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実は、今週末から再びタイ(こんどは北部)に行くことに・・・。

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最終日の前日にタイ在住の虫屋さんたち7名と山奧へ。巨大なカメ(ビルマムツアシガメ)を見つけて、大感激した。25キログラムくらいあって、重かった。野生のリクガメは一番見つけるのが難しい野生動物の一つだと思う。そもそも生息地自体が少ないし、どこでも絶滅の危機に瀕している。(マメコさん撮影)

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タイ休暇

今日までバンコクにいた。明日からゲンカチャン国立公園(これまで、「カエンクラチャン」と呼んでいたのは誤りでした)に少し滞在し、好蟻性昆虫を調査する。

一昨日から昨日まではシラチャの牛島さんにお世話になって、牛島さんのご近所の山でツノゼミを撮影してまわっていた。初めてカメラに収めるものがいくつかあって、実りある調査となった。しかも、また変なのが採れたりして。

今日はタイ在住のマメコさんの案内で、小松君と一緒に、バンコクの南にあるパパデンという湿地帯に行って来た。ここでも面白いツノゼミを見つけることができ、楽しかった。ベタ博物館を見たり、川のナマズに餌をやったり、魚と縁のある一日でもあった。

明日からの調査では、標本が足りないAenictus binghamiのハネカクシを絶対に採集しなければならない。それと、大きなクワガタが採れたら嬉しいな、などとも考えている。

超然

明後日からタイに出かけるのだけど、その前にやるべきことが目白押しで、なにから終わらせてよいやらで、もはや諦観の境地である。昔偉い先生に「締切とは破るためにあるんだよ」と教えられて以来、偉くもないのにその教えを守っている。でも学生の論文は最優先で見る私は偉い。

昨日高橋名人にいただいたヒゲブトオサムシを撮影。これを最後にストロボを外して旅行鞄に詰める。

f:id:dantyutei:20140617195227j:plainStenorhopalus apicalis

有言の帰宅

小松君が無事にチェコとフランスの外遊から戻ってきた。無言の帰宅でなくてよかった。

向こうの虫屋さんから標本を預かってきてくれ、こんなものを交換でいただいてしまった。モロッコの好蟻性甲虫がすばらしい。左のミツギリゾウムシは交換ではなく同定依頼。半分手元に置いて良いとのことで、嬉しい。

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 嬉しかったのは、極珍のSatrapesというエンマムシ。トビイロシワアリの巣にいるようだ。さっそく撮影。

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私が博士論文で扱ったPellaの近縁属、Myrmoeciaの一種、M. confragosaもくださった。私からすればそのへんのクワガタなんかよりも100倍かっこいい。

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