香蕉湾と壽峠林道
24日は最後の採集日だった。ということを知らずに1日を過ごした。この日は藍先生はお帰りになり、黄仕傑さんのご案内で、小松君と梁君と4人でまわった。
台湾最南端のセブンイレブン。台湾にはいたるところにセブンイレブンがある。店内には「関東煮」と書かれた<おでん>が売っている。
午前中は香蕉湾へ。素晴らしい海岸林なのだが、あまりにも特殊な環境で、一朝一夕には虫が採れそうもない。1時間ほど散策してお昼休みとした。
ゴバンノアシの花。
お昼は海辺の食堂で、ここの名物の魚のチャーハンとネンジュモ属の「雨來菇(雨後のキノコの意味)」を食べた。日本で言う「石クラゲ」だが、こちらでは栽培されている。食感が良くて美味しい。
ーーー
午後からは壽卡林道というところへ連れて行っていただいた。良い森だが、とくに保護区ではないそうだ。台湾には良い森があちこちに残っているということを知った。
シイ属の木を長竿で掬って、シカツノゼミを採ってもらったりした。
立派なナナフシも。
夜は餃子。
セブンイレブンで犬が買い物をしていた。
台南へ
25日は朝一番へ台南へ戻る。
社頂の研究所をあとにする。初日が特別に暑かっただけで、あとは風が涼しくて快適だった。
ーーー
藍先生の研究室へお邪魔し、標本を見せていただく。こうやって墾丁の標本を大量に採集し、集積し、専門家に同定を依頼している。すごい労力である。
その際、台湾で進行している多様性解明事業についていろいろ教えていただいた。一番すごいと思ったのは「臺灣物種名錄」。まだ完全ではないが、非常に充実して使いやすい種名のデータベース。日本でもこれを先につくるべきではないかと思った。
あと、前から知ってはいたが、在野の方が作られている昆虫の写真サイト「嘎嘎昆蟲網」。これも国のデータベースと協力しているそうだ。日本にも同じような素晴らしいサイトがたくさんあるけど、国のデータベースと協力関係にあるという話しは知らない。
http://gaga.biodiv.tw/9701bx/in94.htm
ーーー
夜はヤギの鍋のお店へ。とてつもなくおいしかった。
この晩は藍先生の学生さんの家に泊めていただいた。黄さんと梁君と深夜まで虫の話しで盛り上がった。
北へ
朝食は台南名物のサバヒーの食堂に出かけた。タイやマレーシアで食べたときにはあまり美味しい魚とは思えなかったが、気温が低いせいか脂が乗っていて、とてもおいしい。サバヒーを見なおした。
食堂の裏手にある台湾最初の学校を見に行く。
日本時代に補修に際して献金した人の碑がある。日本の企業や個人も名を連ねている。ここにいた案内係のおじさんがわざわざ見せてくれた。
ーーー
それから台中の国立自然科学博物館へ。ハムシの李奇峰さんやシロアリの李後鋒さんなど、私と会いたいという方々が集まってくださったそうだ。ありがたいことです。
カタゾウムシの分子系統をやっている曾惠芸さんという院生の方がいて、ルソン北部の離島の貴重なカタゾウをたくさんいただいてしまった。
http://web.ntnu.edu.tw/~treehopper/index.php?page=people&p=hui_yun_tseng&lang=zh
カタゾウムシの色彩が警告色であることを初めて検証した論文を最近出版した人。
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0091777
ーーー
今日は黄さんのお宅に御厄介になる。私の本を全部買ってくださっていた。感激。
近所のおいしい中華料理店でご馳走になった。
このビールがおいしかった。
寝る前に臭豆腐の料理。満腹・・・。後味に臭みがあるけど、美味しい。