断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

いい加減に疲れが限界に達したので昼まで寝る。それから展示関係の材料の買いものに行き、大学へ。魚類展示に相変わらず苦戦している。こんどはうまくいくといいのだが。
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某大へ行った某君から久々のメール。「ご挨拶が遅くなってすみません」と言いつつ挨拶のないメールだった。彼らしい。という冗談はさておき、とにかくがんばって欲しい。
私の後輩世代の分類屋をみると、威勢よく大学院へ進学したはいいが、論文を書かずに煮詰まってしまう学生さんが少なくない。いや、順調に論文を出すほうが少数派かもしれない。修士で見切りをつけて就職してしまう賢い人もいるが、何も書かずに博士課程まで進学してしまう人もいる。そこで何とか博士を出て就職できればいいが、そうはいかないは当然のことである。
私は何も考えず、とにかく研究がしたくて大学院へ進学したが、その時に師匠のNさんから言われた言葉。
「君が修士の間に1本も論文を出さなかったら、ぼくは研究を辞めるように君に言うし、標本も返してもらうからね」
今思えば、Nさんの時代にも煮詰まっていた院生がまわりにいて、そういう人たちの行く末を見て来たのだろう。当時は「ずいぶん厳しいことをおっしゃる」と冷や汗を書いたが、これはNさんなりの思いやりだった。この言葉が頭の片隅にあって、なんとか1つ目の論文を書くことができた。
今までの経験からすると、威勢のよさや知識の量は論文生産に関係がない。後輩世代にもいろいろな分類屋がいるが、見るからに有望だった人がダメだったり、意外な人ががんばっていたりする。某君もまずは吉澤さんの指導でちゃんとした論文を書いて、とにかくまわりを「おっ」と思わせることが肝心だろう。