断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

朝起きると、昨晩の残飯が漁られて皿が割れていただけでなく、トラップ用のバナナと腐肉が失われていた。レンジャーのおじさんによると、ジャコウネコの仲間の仕業らしい。
今回は、われわれ3人は、森の中、案内の2名と運転手は公園入り口のコテージに泊まっており、彼らに毎度の食事を運んできてもらうことになっている。
8時過ぎに朝食を持ってきてもらう。一緒に来たロンガン(マレーのドゥク)とザクロがうれしい。
9時に16kmポイントへ。ペイさんに手伝ってもらい、FITを仕掛ける。今日仕掛けるのは、いつものM式ではなく、大型の改良型普通FIT「採れ過ぎ君」と呼んでいるものである。欧米人が使っている網の衝突板部分をビニールに変えただけである。大きいので仕掛けるのがひと仕事。ペイさんに手伝ってもらってよかった。野村さんは小松君に手伝ってもらいで多量のN式FITを仕掛けていた。

昼前にFITの設置が終了し、昼食をとり、思い思いに採集を行う。私は目を凝らして今回の主目的であるヒメサスライアリを探す。しばらくすると冷たい風が吹き始め、ぽつぽつと雨が降り出し、やがて土砂降りとなった。
30分もしないうちに雨は止んだが、午後に雨が降るとライトトラップに虫が来ないので困る。
14時ごろに宿泊所へ戻り、私は昼寝をする。
気づいたら17時を過ぎていた。
夕食後、ライトトラップを仕掛けに行き、ついでに小松君と森へ出かける。ライトを仕掛ける際、ジャコウネコの一種が木の枝でこちらを見ていた。ヘッドライトをあてると、そこに電気がついているのではないかというくらいに、眼がよく反射する。それから、小松君が思いがけずタイワンシロアリの一種の菌園を掘り出し、今日は散策中止。残念ながら、その菌園からは何も出なかった。
22時ごろに本を読みながら就寝。今日は果物と残飯をテント内に仕舞う。