断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

7日に釣り糸が絡まったクロツラヘラサギが見つかり、今日その死亡が確認されたようだ。この冬、福岡で2例目。
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昨日はウミハネカクシの採集。伊都のほうを一周して、船越と大入で良い場所を見つけ、Diaulota aokiiGenoplectes uenoiを採集した。あまり収穫はなかったが、太郎君はウミハネカクシの採集法がつかめたようだ。夕方に大学に戻り、ヒゲブトハネカクシの解剖など。夕飯は甲虫学教室の松尾君とともに「ハロー」で。
今日もウミハネカクシの採集で志賀島へ行く。しかし、場所は良かったが、風が強く寒くて1時間で撤収。多々良川へ寄って、Bryothinusa algarumを少しつまむ。
昼過ぎに大学に戻り、太郎君にヒゲブトハネカクシの解剖を教える。私は夕方に展示業者との打ち合わせ、それから写真家の栗林さんご一行が来て下さり、打ち合わせをした。その間、太郎君はひたすら解剖。口器の解剖という難しい技術だが、みるみる上手になった。
それからプレパラートを見ながら、いろいろと議論する。こちらも久々に形態について考えることになり、良い機会になった。今晩で太郎君の福岡滞在が最後なので、23時までヒゲブトハネカクシについて話した。明日から東京へ戻り、農大の浅野さんに真鶴に連れて行っていただくことになっている。
太郎君、まだ学部生だが、いろいろなことを知っているのには改めて感心した。コーネル大の講義の話しも聞いたが、今日は「Larval Biology」という実習講義があることも聞いた。学生たちが各自自力で10目の昆虫の幼虫を集め、形態についてじっくり研究するそうだ。その他、「Phylogenetic Systematics」、「Moleculaer Phylogenetics」、「Biological Philosophy」などもあるそうだ。アメリカの大学の講義は詰め込み式で厳しいそうだが、日本の学生が手探りで失敗してしまうような課題が講義になっているのは羨ましい。