Esakia 2
幸せな趣味。わかりやすい新種だった。「ヒゲブトオサムシ属のタイからの2新種」。多様性をきわめるヒゲブトオサムシで、近縁種の不明な顕著な2新種を記載した。
Maruyama, M., 2014. Two new species of the genus Paussus Linné, 1775 (Coleoptera, Carabidae, Paussinae) from Thailand. Esakia, (54): 27-31.
Paussus drumonti
Paussus masaoi
Esakia 1
10年前から準備していたが、遅々として進まず、ようやく陽の目を見た。「アリヤドリ属の日本産種」。アリの巣の生きもの図鑑の「クサアリヤドリ」が1、「ヤマアリヤドリ」が3。一番普通種の北海道産「アリヤドリ」は2だけど、これはまだ生態写真が未撮影。「aynumosir」とはアイヌ語で「人(アイヌ)の土地」、つまり北海道のこと。「excelsior」みたいな最後が「r」で終わる学名をつけてみたかった。お気に入り学名。また、この属は思い入れがあったので、絵には時間をかけた。初めて雲型定規を使わずにあちこち描いてみた。自己満足にすぎないが。
Maruyama, M. & Zerche, L., 2014. Japanese species of the myrmecophilous genus Thiasophila Kraatz, 1856 (Coleoptera, Staphylinidae, Aleocharinae). Esakia, (54): 27-31.
左から、Thiasophila nipponica, T. aynumosir, T. shinanonis.
チューリップ満開
私のブログは、園芸→ななちゃん→虫→ななちゃん→飲み会・・・と巡回しています。
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疲れがひどいので、今日は午前中はお休みした。
自宅のチューリップは満開。
これも自宅の畑で、原種チューリップ。毎年咲いてくれるものの、全然繁殖しない。
近所の川。今日はぽかぽか陽気。明日は雨だけど、明後日は潮干狩りに行こうと思う。
工学部食堂前のソメイヨシノ。
大学の畑のキンカンにはナミアゲハが来ていた。もうボロボロになっていたので、随分前に羽化したのだろう。
大きくなったソラマメを摘芯した。花も少し減らしたほうがよさそうだ。
理学部の裏の池にはフナが戻されていた。
夜桜。今日は構内で桜を撮影している人が多かった。
桜満開
年度末関係の仕事で猛烈に忙しい。今日も午前様。といいつつ、昼間は小松君と竹筒トラップ用の竹を切りだしていた。
竹筒トラップとは、竹の筒にハチを営巣させ、それを回収してハチを得る方法。
http://www.nat-museum.sanda.hyogo.jp/insect-museum/guide/sec-7.html
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むし社より出版された「日本のオオセンチコガネ」をいただいた。ありがとうございました。非常に美しい甲虫とはいえ、このように一冊の本になるというのは新鮮な驚きであった。しかし、中味を見て、十分にその価値があるものと納得した。地域変異がすばらしく、各地の個体群を拔群の写真であますことなく紹介している。日本全土に広く分布するものの、分布は局地的であり、場所によっては採集が難しいようだ。これだけの標本を集めるのにどれだけの年月をかけたのだろうか。ただ見るだけでも楽しめる。おすすめ。
理学部の裏の池がすっかりきれいになっていた。魚はどうしたのだろうと思ったら、近くに保護されていた。
構内のサクラはすっかり満開である。こんなに早く咲き、しかも満開になってしまうとは、今年のサクラはとくに潔い。
石の上にも
岩田 久二雄の「昆虫学五十年―あるナチュラリストの回想」を読んだ。本当に素晴らしい本に出会えた。同著者では「本能の進化―蜂の比較習性学的研究」が研究の集大成として位置しているが、この本はより手軽なハチの習性学の研究紹介であり、著者の研究人生を描いた手記である。
昆虫学五十年―あるナチュラリストの回想 (1976年) (中公新書)
先日の森本先生とのお話しにも通じるが、背景にある膨大な知識と研究に対する情熱が行間からひしひしと伝わってくる。書ききれないものが行間からこぼれ落ちそうなのがわかる。やはりそういう本は面白い。
若者の研究者を見ていて感じるのだが、意外に難しいのは、「自分の研究をしっかり理解すること」である。自分の研究をとりまくできる限りの幅広い見識こそが、自分の研究の立ち位置をはっきりさせ、ひいては中身のある普及啓蒙が可能となる。
ところで、昆虫や地味な生き物に関する初心者向けの面白い一般書は案外少ないが、その点でゲッチョ先生こと盛口満さんの本は白眉である。私も学生時代にいろいろな知識をいただいた(もちろん今も)。私は昆虫に関するものしか評価できないが、内容に違和感も間違いもなく、手放しに推薦できる。おそらく他の分類群でも同じだろう。たいへんな取材量と謙虚な姿勢のなせる業である。人のためになる良い本を書けるのは、専門の学者だけではないし、専門家であることに胡坐をかいてはいけないということを、ゲッチョ先生の本は教えてくれる。昆虫や動物のことを楽しくいろいろ知りたい人には、ゲッチョ先生の一連の書籍を強く薦めたい。
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私が着任したときに事務をしていた赤峰さんが遊びに来た。5年以上ぶりの再会。2児の母となり、ミシンを買ったが雑巾を縫えないなどという他愛のない話しに癒された。
この支配からの卒業
今日は卒業式でした。一番左の人は先生ではありません。見た感じは先生より偉そうですが、米ちゃんという歴とした学部4年生です。
自宅のチューリップもちらほらと咲き始めた。急に暖かくなり、一気に蕾がふくらんだ。
日当たりの良い大学の畑では満開。
年明けに100円で買った高級品種も無事に咲いた。
昨日除草したので、改めて原種チューリップ。種名はわからないけど、アマナそっくり。
そして構内のサクラも今日から一気に咲き始めた。こんなに一気に咲くとは思わなかった。
小松貴君が九大に来てから、彼と話すのが毎日の楽しみになっている。今日も遅くまで虫について話した。いろいろ知っていて、とても勉強になる。これから刺激的な毎日になりそうだ。
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昨日のZootaxaは急展開で、編集者から原稿が戻り、さっき無事に受理された。
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小松貴君が九大に来てから、彼と話すのが毎日の楽しみになっている。今日も遅くまで虫について話した。いろいろ知っていて、とても勉強になる。これから刺激的な毎日になりそうだ。
ミ・ω・彡
Raffles Bull Zoolに投稿した論文が3カ月を経て音沙汰なし。吉富さんも同様のようだ。急いではいないけど気になる・・・。
http://d.hatena.ne.jp/yoshitomushi/20140323
そういえば、同じ時期に出したZootaxaも音沙汰なし。編集者にメールしたら、一つも査読が届いてないそう。まったくもー。私もなかなかやらないんだけど、3か月はひどい。
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今日は標本箪笥の引っ越しだった。甲虫を1部屋にまとめて、移転に備えて作業を進める。今日の作業の間に森本先生にお聞きした話を:
1.九大式箪笥は、BMに留学していた江崎先生が設計図をもらってきて、BM式にそのとおりに作ったもの。研究室の予算が100万円の時代に80万円したそうだ。ちなみに、現在作ると、200万円はかかるらしい。これからドイツ箱に移して箪笥は捨てようと思っていたが、とても悩む。
2.森本先生がゾウムシを始めようと思って九大に来たとき、江崎先生にどの分類群をやりたいのかと訊かれ、「ゾウムシ全部です」と答えたら、「ゾウムシは非常に大きいから、そんなことヨーロッパで言ったらキチガイだと思われるぞ」と云われた由。(結局、ほぼ全分類群を知りつくされている。)
3.当時は文献収集と言えば、古書店で文献を買うしかなく、非常にお金がかかった。江崎先生に「医学部に編入して、医者になって稼いでからゾウムシを始めたほうがいい」と云われた由。当時は農学部から医学部への編入試験があったそうだ。
4.森本先生が集めた文献の量は、幅40メートル。一番の珍本は誰かのモノグラフ(失念)で、滅多に出ないし、出ても100万円以上はするとのこと。来年は甲虫の部屋にこれらの文献も並ぶことになる。
私たち青二才は論文を書くとき、10のことを勉強して、8や10、ときにそれ以上のことを書こうとする。でも本来、研究における知識というのは、100のことを勉強し、101、102と増やしつつも、1、2、と小出しにするべきものである。森本先生と話していると、背景にある計り知れない知識と努力をひしひしと感じ、自分の研究や知識の軽さに、いつも身の引き締まる思いがする。
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山本君が学府賞をとったとかで、見せに来てくれた。金尾君も受賞している。二人ともおめでとう。
うちのナマズ。アホなようで、警戒心が強い。いつも
ミ・ω・彡 という顔をしている。
ななちゃん
通常営業。晴天。今日のななちゃん。
夕方に小松君が来て、北九州で採ったというナカオメクラチビゴミムシをもってきてくれた。小松君に九大の近所の美味しい店をいろいろ教えようと思い、今日は「ふなこし」にお連れした。やさしい家族の作るやさしい味の定食屋。
春の兆し
サクラのつぼみが膨らんできた。開花までもうすぐ。
大学の畑を拡張した。チューリップも満開を迎えた。
クロッカス。
ムスカリ。
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原種チューリップ。
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藍子様とみっちーがそれぞれ東京と大阪に旅立ってしまうので、最後の記念にまた「あんみつ姫」に行ってきた。普段笑わないので、「破顔筋」が疲れてしまった。
座長と一緒に。
二人がいなくなってしまうのは、本当にさみしい。でも、こういういい学生に恵まれたことに感謝したい。 教員をやっていてよかった。
「お前のひみつ」
最近買った本。眞中の「昆虫のひみつ」は懐かしくて。ちょっと変なことも書いてあるが、思わぬ面白いことも書いてある。子供向けにいかに難しいことを説明するかという点でも勉強になる。左の「昆虫学五十年」はケムシを鼻毛切りで丸坊主にすることで著名な杉浦さんが勸めていたもの。(宮地賞おめでとうございます。)