断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

昆虫学会 おわる

18日に各種委員会があり、19日から21日まで箱崎キャンパスで昆虫学会大会がひらかれた。
 
今回は20日と21日にシンポジウム「昆虫博士になるには」と「昆虫学者、世界をまわる」があり、これが私の一番大きな担当だった。
 
前者は以下の内容で4人に講演をお願いした。4人とも彼らの学部時代から知っていて、早々に「ホネがある」と感じた人たちだった。今回はこれまでの道のりを振り返り、現在やっていることを紹介するというもので、小中高生を主対象としてほしいとお願いした。残念ながら小中高生は15人程度だったが、学部生には目標とすべき先輩の姿を見せることができると思うし、それ以上の皆さんには、こんなにがんばっている若手がいるということを知ってもらう機会になったと思う。我ながら良い人選だったと思う。
 
「昆虫博士になるには」
金尾 太輔(京都大学・学振PD) 「シロアリの巣にすむ珍奇な共生昆虫を求めて」
坂本 佳子(国立環境研究所) 「昆虫の多様性をまもるために私ができること」
松村 洋子(慶応大学・学振PD) 「交尾器の形に魅せられた虫博士の歩み」
長島 聖大(伊丹市昆虫館) 「虫と歩む人生お悩み相談室」

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後者は以下の4題で、これも面白いものになったと思う。同時間にひらかれた自然保護委員会の「島嶼生態系の多様性とその保全」というシンポジウムの裏番組のつもりで、大半の人がそちら行くと思われたが、結果的に半分くらいはこちらに来てくださったようだ。気楽に聞ける内容が良かったのかもしれない。

 

「昆虫学者,世界をまわる」

 藤山 直之(山形大学) 「無明と無回転も功を奏するインドネシアのテントウムシ調査」

村尾 竜起(九州大学) 「シルクロードにハチを追って」

小松 貴(九州大学・学振PD) 「遠い異国へ軍隊アリを探して」

三田 敏治(九大院・農・昆虫)・丸山 宗利(九大博) 「これから海外調査へ行く人へ」

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その他、今回の学会から、「昆虫学会ふれあい昆虫館」という企画をすることになり、その仲介と運営をした。石川県ふれあい昆虫館の福富君と伊丹市昆虫館の長嶋君が主担当で、大会に彩を添えたと思う。実際に、これを目当てで大会に来て、昆虫学会の存在を知った人も少なくないようだ。
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また今年は金尾君の論文が学会の論文賞を受賞したので、その受賞祝も行われた。

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昆虫学会

【告知】今週末に箱崎キャンパスでひらかれる日本昆虫学会福岡大会において、一般向けの催しがあるので、お知らせします。
http://www.agr.kyushu-u.ac.jp/ibc/entosoc75/index.html

 

1)昆虫学会ふれあい昆虫館 http://www.agr.kyushu-u.ac.jp/ibc/entosoc75/exhibition2.html

2)公開シンポジウム「昆虫博士になるには」http://www.agr.kyushu-u.ac.jp/ibc/entosoc75/symposium.html

以上の2つは、どなたでもご参加いただけます。

場所が文系キャンパスの共通講義棟ですので、お間違えの内容にお願いします。

なお、期間中の19日と20日は、旧工学部本館の常設展示室(「きらめく甲虫」開催中)も開館しております。

放生会と蟹会

筥崎宮の放生会が始まった。
今年は2年に一度の行列だそうで、家の前に行列が通過する箱崎網屋町の漁師さんのお宅にお邪魔になり、蟹を食べる会に参加させていただいた。楽しくてあっという間のひとときだった。
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あいにくの雨模様で、雨対策を講じた行列だった。
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ひと段落

懸案の大仕事(監訳)がひと段落した。かなり直すところが多かったので、十分に見きれないところもあり、2校でまた大仕事となりそうだけど、少し肩の荷が下りた。続いて人様を待たせているさまざまなことに取り組んでいく。

写真はカタゾウムシの一種、Eupachyrrhynchus cf. superbus

全然別のものがこの属として同定されていることが多いが、Hellerの原記載を見てこれだとわかった。

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This is Eupachyrrhynchus cf. superbus

ラスカルめ。。。

畑に行くとラッカセイが何者かによって踏み荒らされていた。よく見るときれいに中身を食べた実がたくさん落ちている。アライグマの仕業だ。半分くらいはアライグマに献上してしまった。

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急いで收穫し、ゆでて食べた。塩ゆでしたラッカセイは言うまでもなく美味しい。

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時間配分

今年の夏は「きらめく甲虫」、「アリの巣のお客さん」、「アリのくらしに大接近」、そして「昆虫はもっとすごい」の4冊を出して、上半期は完全にそれらに忙殺されていた。それから7月に入り、ラジオやテレビの取材、それに講演も多く、どれも移動や準備で数日を費やしてしまうので、7月と8月はまったく研究する時間がとれなかった。

先週までタイにおり、それから金曜までは、別件の用事(自分にとっては重要なこと)に追われていた。そしてようやく一息ついた。

別件の用事というのは、自分を見つめ直す機会となったもので、それを終えてふと考えると、このごろはつくづく本来の自分を見失っているような気がした。何度も自分に言い聞かせる必要があることだが、研究者を名乗る限り、なにを差し置いても、研究が第一で、学生の指導もしっかりしなければならない。

本が売れると、いろんな出版社から執筆の依頼が舞い込む。テレビやラジオの出演依頼も相次ぐ。

この秋も海外調査がいくつかあるが、しばらくは新しい依頼に応えるのは控え、残っている課題を消化し、ひたすら研究に向き合いたいと思う。

と、ささやいてみた。

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ペルーで世話になった南アフリカ在住の夫妻にツノゼミの本を送ったら、わざわざ写真を送ってくれた。

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昆虫はもっとすごい

こんな本も出ております。初版があっという間に売り切れて、さっそく重版がかかりました。養老先生と中瀬君との鼎談です。田中裕子さんという美人の書き手さんが「放談」に近かったものを上手にまとめてくださり、面白い本になりました。いろいろと深いことが書いてあって、買って損はありません。

http://www.amazon.co.jp/dp/4334038751/

ちなみに、昆虫関係者は「なんで中瀬君???」と思うかもしれませんが、養老先生のところに標本整理のバイトなどで出入りしているようで、お声がかかったようです。私とも縁があったので、この3人になりました。

以上、帯の写真が恥ずかしいという幼稚な理由で沈黙を貫いていたけれど、光文社新書の編集の古川さんに目聡く「ちゃんと告知してください」と言われてしまったので紹介します。

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明日からタイに

おととい、NHKが展示室からテレビの中継をしてくれた。今回の展示はテレビやラジオや新聞で紹介してもらえて、とてもありがたい。
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近頃は良いものをよく食べている。
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カイコとクワコを交尾させたら、無事に産卵、孵化した。
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合間を縫って学生に実験指導。
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明日からタイに出かけます。

怒涛の。。。

東京に行ってラジオに出たり、講演をしたりで、怒涛のような毎日を送っている。それで今週末からタイに行く。それまでやることが目白押し。

ラジオはTBSの「日曜天国」という人気番組だった。安住さんが司会なのだが、不調のため、柴田さんと代わりにお話しした。