断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

写真:マレーシア2007

前ブログで掲載したことがあるデオキノコムシの一種Diatelium wallacei。大型で1センチ以上ある。これほど見事なロクロ首の甲虫もいないだろう。雄のみが長い首を持ち、雄間の闘争に使われているのかもしれない。写真の個体は北大の鶴君が採集したもので、毒…

マンマルコガネの一種Madrasostes variolosum。最も普通な種で、いままでどれくらい採ったかわからない。しかしたくさん採ると珍品が混じっており、それは野外で区別がつかないことから、それらしいものは全部採るしかない。マンマルコガネには悪いことをし…

クビレハリアリの一種Cerapachys sp.が倒木を歩いているところ。日本にも同属種が分布するが、いずれも個体数は少ない。グンタイアリ類(サスライアリ亜科、ヒメサスライアリ亜科、グンタイアリ亜科)と姉妹群にあたるという説もあり、アリ科のなかではかな…

タカサゴシロアリの一種Nasutitermes proatripennisの巣で見つかったTermitonannini族のハネカクシ。おそらく新属新種。同じ巣から好白蟻性のキノコバエも得られている。本種のようにシロアリと接触の多い好白蟻性ハネカクシは、たいてい毛が少なく、シロア…

フタフシアリ亜科のアリMeranoplus mucronatus。胸部(正確には胸部と腹部の第1節が融合した部分:mesosoma、alitrunk)の背面が平坦で、前後左右が2対の長い棘状に張り出している。ゆっくりと歩く可愛らしいアリで、この種に関しては昆虫の死骸に集まってい…

マンマルコガネの続き。Madrasostes agostii Paulian, 1993。一昨日の種と同時に見られる。生時は紺色に弱い金属光沢の地味な虫だが、死ぬと緑色になり、金属光沢が増し、きれいな虫になる。死んだほうが色鮮やかで美しいという虫は滅多にいない。種小名はア…

コガネムシ科、ヒラタハナムグリ族Valgini、トゲヒラタハナムグリ属の一種Dasyvalgus dohlni。体長は6ミリほど。この族の甲虫は幼虫時代をシロアリの巣で過ごすものが多い。シロアリの豊かさに関係してか圧倒的に熱帯に種数が多いが、シロアリのいない地方ま…

小型のマンマルコガネ、Madrasostes clypeale。イエシロアリの一種Coptotermes sp.の巣には普通で、夜間に巣の表面を歩き回っているのが見つかる。前胸背板に丸い点刻があって、雄(写真上)はそれが大きく数が少ない。一方、雌は小さく数が多い。この雌雄差…

日本には分布しない科Eulichadidaeの一種Eulichas sp.。一見コメツキムシに似ているが、全くの遠縁で、ドロムシ上科Dryopoideaに含まれる。幼虫は水生で、渓流にいるそうだが、まだ見たことがない。成虫は2センチ以上あるので、きっと幼虫は3センチ近いだろ…

いつも滞在するロッジには広い芝生の庭がある。その芝生でジャングルからロッジを隔離し、ロッジ内には蚊がほとんどやってこないようになっている。熱帯であるから、芝生の間には雑草が生えるし、シバの生長も早い。そこでしょちゅうシバと雑草を刈るのだが…

これからマレーシアの写真をしばらく紹介したい。2007年の5月から6月に1ヶ月滞在した際のものである。未整理なので、日付順に掲載していく。こういうふうに使わなければ日の目を見ないことになるので。 最初はノコギリハリアリ亜科のMystrium camillae。属名…