断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

予想通り、夜中に3時間おきにトッケイヤモリに起こされた。朝食後、植物園内へ採集に出かける。といっても、宿舎の周辺である。今日の申請は簡単なので、小林さんと高久さんにお任せし、澤田さんと私はボゴールに残ることになった。

ハリアリ類、トゲアリPolyrhachisやオオアリCamponotusなどを撮影しながら採集した。幸運だったのは、アリグモMyrmarachneを3種も見つけたことで、それぞれの近くにモデルとなりそうなアリがいた。傑作は灰色のトゲアリに擬態していると思われる種で、腹部の絹状の微毛までそっくりだった。樹上のカイガラムシの落とした甘露をなめるために数種のトゲアリが葉の上に集まっていて、そこに一緒に歩いていた。また、その甘露に数種のアリバチも集まっていたのは印象的だった。

昨日設置したFITを見に行くも、ほとんど虫が入っていない。一昨年は一晩で100頭以上のハネカクシが入っていたというのに。結果が思いやられる。

昼食は澤田さんと昨晩の食堂へ。「Ifu Mie」というのが目に付いたので、注文したら、あんかけ固焼きそばだった。これは当たった。一緒にスプライトを飲んだが、こちらでは、コーラといい、ファンタといい、スプライトといい、日本で飲むものよりもかなり甘い気がする。こちらの飲み物はたいてい甘いので、インドネシア人の口に合わせているのかもしれない。マンゴスチンを2kgほど買って宿舎に戻る。

午後からは少し歩いて、園内を流れる比較的大きな川のそばで採集した。宿舎周辺に比べて虫は少なかったが、テントウダマシの一種Eumorpha marginataがびっしりとくっついているキノコを見つけ、写真に収めた。また、石を起こしたらアシナガキアリAnoplolepis gracilipesの巣があり、一緒にアリヅカコロオギの一種Myrmecophilus cf. albicinctusも採れた。これらは信大の小松君用に採集する。アシナガキアリの巣の中に大きな(10cmほど)サソリの死骸があったのには驚いた。

夕方、マンゴスチンを食べるが、どれもハズレ。がっかりだった。夕食はまた同じ食堂へ土砂降りのなかを行った。「Lo Mie」というのを頼んだら、あんかけラーメンだった。昼のと同じ味がした。

土砂降りは2時間近く続き、道路は川のようになっていた。夕飯の帰りに、電話をしようと思って電話屋に寄ったら、雨で不通とのこと。雨で普通回線が不通になるとは思わなかった。また、宿舎に戻ると、あちこちで雨漏りしていた。

人いきれと排気ガスで混沌としたボゴールの街を見ていると、こうやって時々降る大雨が、いろいろなものを洗い流しているような気がする。

写真はトゲアリに似たアリグモ。