断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

蟻研のMLに「そろそろクロクサアリとモリシタケアリの羽出の季節です。見かけたら採集してください」というような内容のメールを流したので、他人任せではいけないという思いから、今日は朝から中野区にあるクサアリの未記載種(デカクサアリ)の巣を見に行った。

朝6時に見た天気予報では一日中曇りだったが、出かけるまえの6時半の発表では、一変して一日晴れだった。風もないし、最高の羽アリ日和。木の幹に群がるクサアリの羽アリを夢想しながら電車に乗った。

意気揚々とはしていたが、心配性の性格から、もう出てしまっていないかとの心配もしながら、巣のある場所へ近づく。しかし…。心配のほうが当ってしまったようだ。羽アリが全くいない!焦りながら木の幹や行列を見てまわるが、やっぱり羽アリのハの字も見当たらない。どうやらもう出払ってしまったようだ。クロクサの近縁種なので、だいたいクロクサと同じで、これから飛ぶか飛び始めくらいだと思っていたのだが、それは不注意というものだった。来年あたり、坂本君にお願いしようかな…。(早速、他人任せ。)

しかし実は夏に出るということもありえないわけではないので、もう少し経ったらもう一度見に行ってみようとは思う。帰り際に1頭だけ、行列を歩く脱翅雌蟻を見つけた。行き遅れの羽アリかもしれないと思って採集してみた。

午後から渋谷でゲッチョ先生と待ち合わせてお茶をする。朗らかで温かい方で、時間はあっという間に過ぎ、お別れが名残惜しかった。その足で「ナイロビの蜂」を見た。久しぶりの映画だったが、感動的で、本当に観てよかった。

帰りに千鳥が淵のクロクサアリの巣を見てきた。こちらは普通のクロクサなので、予想通り巣にはまだ多数の羽アリが群がっていた。やっぱり中野の巣は早いなぁ…。今日中野で採った1頭の雌と比較したかったので、適当に摘んできた。

帰って自宅の顕微鏡でその1頭の雌を見ると、なんとモリシタケアリの雌だった。少なくとも外見ではそうとしか見えない。うーん、なんでデカクサアリの行列にいたのだろうか。いろんなこと(形態的にモリシタに似ているだけ?近くにモリシタの巣がある?)が考えられるが...。