断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

ホテルのバイキングで朝食。10時近くにマラヤ大学の研究者でカウンターパートのRosli Hashimさんがホテルに来てくださった。今回は人数と荷物が多いので、大学のワゴンを借りもらうことができ、とても助かった。その足で早速、買出しへ。ラーメン、缶詰、野菜、果物、水など、とにかくいろいろなものを買った。これがGombakでの食料となる。大型カート2台分の食料、386RM。

そしてGombakの宿舎(Field Studies Centre)へと向かう。普段は市内から車で一時間弱だが、今日は車が混んでいて、30分ほど余計にかかった。

部屋は以前にMaschwitzさんが使っていた小屋を借用した。6人では少し狭いが、それもまたよい感じ。紅一点の藤原さんはとなりの部屋に1人住まいだ。荷物を整理し、昼食のラーメンを作る。10人前作ったが、大食いの大島君がいるので、余る心配はない。食事はベランダでするのだが、これがまた気持ちよい。食後、ふと林に目をやると、2羽のサイチョウが梢を渡っていた。

昼食後、各々採集へ。片山君を案内しつつ、半年振りの林内の様子をみてまわる。例年は乾き気味の時期だが、かなり湿っている。橋を渡って川沿いに進む歩道があり、その行き止まりで竹を踏んだら、中からシロアリが出てきた。竹を砕いて篩うと、しばらくして待望のハネカクシが出てきた。Coptoxenusというイエシロアリ属Coptotermesのシロアリに密接な属のもので、以前に香川の伊藤さんから同種の標本をいただいたことがあるものだった。その後も散々篩うが、結局追加はなかった。

夕飯はチャーハンと野菜炒め。タイ米なので、チャーハンに良く合う。

食後にライトトラップをするため、宿舎から程近い廃屋へ行く。シーツを張り、周辺の潅木を切り倒し、設置完了。私は早々に引き上げ、周辺の林内でヒメサスライアリを探して歩き回る。

今回の主目的は、ヒメサスライアリと共生するハネカクシである。1980年代に好蟻性ハネカクシの大家であるKistner氏らがここを訪れ、ツヤヒメサスライアリAenictus laevicepsから2新属のハネカクシを採集している。同属の種がランビルで採集されており、現在その研究をすすめているが、どうしてもタイプ種である半島産の標本が欲しく、その寄主の情報も必要なのである。

しかし、今日は歩けど歩けどヒメサスライアリは見つからない。途中、藤原さんの夜行性のオオアリを探すのにも同行しつつ、23時過ぎまで歩き回るが、結局成果はなかった。

写真:ロスリーさんを囲んで集合写真。小松君は早く採集に行きたがっている。