断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

土曜出勤。目指せAlex Wildということで、4月からのマレーシア調査に備え、野外撮影機材の工夫をしてみた。Alex Wildは、少なくともアリに関しては、当代最高の写真を撮る人だと思う。まずシーンがいい。各種の生態をしっかり押さえている。こういうのはアリの生態を熟知していなければならない。いわば、研究者にしか撮れないものである。それと写真の質感がいい。ツヤツヤのアリでもいい具合に光が散っている。ツヤのある虫でも、標本写真の場合であれば、トレーシングペーパーで標本の周囲を覆うことによって、丁度良い光加減が得られるが、野外で同じようなことをするのは難しい。それで、Alex Wildがどのように撮影しているかというと、これがどこにも載っていない。機材は最高のCanon MP-E 65を使っているが、それだけではないはず。唯一のヒントが撮影機材のページにチラリと写っている。

そして昨晩、これから想像して作ったのが、以下のものである。針金をらせん状に巻き、そこに布(ふきん)を縫い付けた。原理は標本撮影と同じだが、なかなか良い感じになった、と思う。モデルはもらい物のヒゲブトオサムシKlugipaussus klugi。絞りは18。

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