断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

こんど日本へ帰ったときに「天下一品」のラーメンを買って帰ろうと思っているのだが、HPで見たら6食で4500円なり。高いとは思うが、こちらにいると1000円以上でも食べたく感じるので、考えようによってはこれほど安いことはない。

日本もふたたび寒さへ落ち込んだようだが、こちらも負けずに寒くなった。これも三寒四温なのだろうか。それにしてもこちらでは三極寒四寒といったところ。しばらく最高気温が氷点下である。電顕技師のBettyさんが、「もうすぐ暖かくなる。もうすぐ」と念を押してくれた。

ケアリの電顕撮影。Wilsonのモノグラフの粗探しをしようと懸命になっているが、なかなか見つからない。Wilsonは時間をかけてよく見ている。

藤原正彦新田次郎の子息であることを知った。そのことを本を貸してくれた人に話したら、思い切り驚いてくれた。

月刊むしの編集の方が「甲虫誌」の書評を書いてくださり、別の編集の方が掲載誌とその前の号(431号)を送ってくださった。431号掲載の「21世紀の昆虫採集を考える」の第4弾、「ヤンバルテナガコガネの25年-絶滅へのカウントダウン-」(藤田宏)は色々な意味で圧巻だった。やんばるの開発の現状には驚くばかりで、それがどうして止まらないのか、疑問と強い憤りを覚える。また、本文の「私が沖縄知事なら、こうする」には強く共感した。しかしそれ以前に、これはもはや国レベルで動くべき問題である。ヤンバルクイナが残り10羽になったくらいでようやく動き始めるのだろうか。

帰りにふと摩天楼を見ると、5つくらいのビルに「2016 CHICAGO」とあった(各部屋の明かりで作った文字)。シカゴがアメリカ代表の候補地となれば、わが東京はその宿敵となる。

Ulu Gombakのアリ。以前にも写真を貼ったが、多型の著しいオオアリの一種である。ただし、大型個体の2つ左隣の小さなアリはシリアゲアリの仲間である。オオアリには黒くて小さい個体から、上半身の赤い個体、腹の赤い大きな個体までがいて、それぞれがまるで別種のようにみえる。別々に採れたら間違いなく3種か4種に分けているだろう。とくに腹の赤い大型個体には他の型との中間が見当たらず、安定した型のようである。大型の個体は2センチ以上あり、ムネアカオオアリの女王よりずっと大きい。のみならず非常に凶暴で、指を噛まれて出血した。また、一度噛みつくと離さず、服についたものが首を残してまでも噛み付き続ける。まさに巣の戦闘兵器といったところ。シリアゲアリは別の巣に住み、オオアリと採餌場(カイガラムシ)を共有しており、共生のようである。この巣は風倒木の梢近くにあり、いずれ消滅する可能性が高いので、よってたかって存分に採集した。

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