断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

ガロア(ガロワ、Edme H. Gallois)はフランスの外交官で、1931年ごろまで在日し、日光を中心とした日本各地で昆虫を採集、たくさんの新種を発見し、とくにガロアムシにその名を残していることで有名である。甲虫でも、コメツキやタマキノコ、アリヅカムシなどの良い虫に名前が残っている。
彼の採集した標本の大部分はパリの自然史博物館にあるが、一部は北大の昆虫学教室(現在は昆虫体系学教室)が買い取った。ガロアの収集品を新しい箱に移すにあたり、もともと標本の入っていた印籠箱が大量に廃棄された。私が北大にいたときにまだ一部残っていたので、その箱をもらっていた。
金曜に標本を整理していて、その箱が出てきたので、この機会に写真に収めておいた。
ガロアが在日していた1931年より以前に買い取ったはずなので、少なくとも80年ほど前の箱ということになる。 底はコルクなのだが、今では滅多にみかけない一枚コルク板(現在のコルク板は大部分、粉砕して固め直したもの)で、側面の板の下に敷いてある(ドイツ箱と同じ)。
側面に「Carabes」とあるので、オサムシが入っていたのだろう。