断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

川田伸一郎さんの「モグラ―見えないものへの探求心 (フィールドの生物学)」を読了(再読)。著者のモグラの染色体研究、そして形態学、分類学への開花の様子が野外調査を主軸に描かれている。楽しい調査の様子、調査の苦労、そして発見の喜び。著者のモグラ調査の魅力がよく伝わり、とても面白い。難を言えば、著者の研究手法の中心である染色体研究の意義付けが十分に浮かび上がって来なかったことか。哺乳類における染色体研究の重要性など、研究の背景の説明や著者の研究の位置づけが欲しかった。