断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

佐伯ゼミ

生防研の佐伯順子さんに研究紹介をしてもらった。一流誌に面白い論文をたくさん発表しているすごい人。今日のお題は多胚性寄生蜂の資源をめぐるトレードオフのお話しだった。とても盛り上がった。同属別種を「昆虫はすごい」にも取り上げているが、1つの卵が分裂して、数千のクローンに増えるハチである。それ自体が面白いのだが、生態の研究材料としても優れているようだ。

            Yoriko Saeki, Philip H. Crowley, Charles W. Fox andDaniel A. Potter, 2009, A sex-specific size–number tradeoff in clonal broods. Oikos Volume 118, Issue 10, pages 1552–1560,
              Yoriko Saeki* andPhilip H. Crowley, 2013. The size-number trade-off and components of fitness in clonal parasitoid broods. Entomologia Experimentalis et Applicata Volume 149, Issue 3, pages 241–249,

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            お礼に佐伯さんに夕飯をご馳走すると見せかけて、いろいろ相談に乗ってもらった。ゼミに感動した茶坊主も。

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            一昨日から鶏ガラスープをとっている。3日目にして、白濁してきた。すごくいい匂いがする。明日はこれであんかけ焼きそばを作る予定。

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            実験指導

            山本君、吉田君、高田さんに実験の指導をしている。みんなまあまあの手つき。あと2、3回教えればいいだろう。実験は細かい何百というコツの積み重ねなので、マニュアルには書ききれないことが多い。

            金尾君が博士論文の目次を持ってきてくれた。とにかくすごい内容。ここ10年の分類関係の博士では(私が見聞きして知る限り)ずば抜けてすばらしい成果ではないかと思う。完成が楽しみだ。

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            ひそかに少しずつ集めているヒシバッタ類。

            朝餃子

            今日は朝起きて、とりあえず餃子を作った。結構手間がかかるものだけど、包む作業は楽しい。

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            それから大学へ。懸案の論文を一つ完成させて、英文校閲に出した。もう一つ懸案の大論文があって、今月中に完成させたい。

            帰りに駅前のスーパーに寄ると、サゴシ(サワラ)が並んでいたので、ムニエルにして、カボスドレッシングをかけた。それとハガツオの刺身という珍しいものも購った。夕飯は魚づくしにした。サワラは一番好きな魚の一つ。

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            伊達騒動

            私が院生のときには「種問題」に関する議論が盛んだった。「科学とは何か問題」と同じで基本的に不毛な議論だったが、唯一不毛でない点があったとすれば、自分の研究分野というもの、そして自分の立ち位置について考える機会を得たということだろうか。

            植物分類学会のニュースにそのなかでも有名な伊達騒動について書いてある。「種類」などと言ってしまう若者分類屋にも一読の価値あり、かもしれない。

            http://www.e-jsps.com/2007hp/topic/Datesoudo84/date.html

            回る鍋の肉

            今日も野菜の残りの消費。以前にいろいろな中華調味料を買って使っていなかったので、回鍋肉を作った。肉に下味を付けて、軽く火を通し、その後に野菜を炒め、肉を戻し、甜麺醤、豆板醤、オイスターソース、醤油、みりん、味噌、水、片栗粉を混ぜたものを加えた。すべて適当だけど、お店の味に近いものができた。

            昆虫ブログだが、料理の話しは人畜無害な記録だと思って、これからもちょくちょく載せていく。

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            飼育

            ツムギアリを飼育している。空調完備なので、住みやすい環境だとは思うが、弱り気味のコロニーなので、少し心配である。うまく働きアリが増えて欲しい。マダラスズを与えたらなんとか食べたが、オンブバッタは今一つ不人氣だった。

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            写真家の山口さんからブラックベリーのシムフリー携帯電話をいただいた。カンボジアで茶坊主と連絡を取るために安い携帯を買ったのだが、現地で携帯電話があることの便利さに目覚めた。トランシーバー代わりに使えるのが良い。これはいろいろ遊べそう。

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            「昆虫はすごい」が1万部増刷になるそうで、こんどは全面帶になるそうだ。それでお気に入りの奇麗な虫の写真を出版社にお送りした。どんなものになるか楽しみだ。

            この本のおかげで10月はラジオ、11月はテレビの出演で上京することになった。出演するのは(非常に!)恥ずかしいが、少しでも他の自著の販売促進になればと思っている。とくに「アリの巣の生きもの図鑑」や「アリの巣をめぐる冒険」が売れて欲しい。

            「昆虫はすごい」の裏話3

            編集

            「昆虫はすごい」の裏話1 - 断虫亭日乗

            「昆虫はすごい」の裏話2 - 断虫亭日乗

            の続き

            それから執筆の日々である。夕方の数時間を使って、1か月ほどかかった。その間に、さらに小見出しや話題を加えていった。

            その次に大変だったのは、参考文献の抽出である。昆虫雑学本はいくつかあるし、著名な先生が随筆などで語るものもあるが、そういうものには不正確な内容が少なくない。そのときに大切になるのが参考文献である。今回の本では、それらの本と一線画すために、参考文献の抽出にはこだわった。ただし、頁数の問題、見た目の問題から、総説や初出を尊重し、本数は絞らざるを得なかった。一つの現象にしても、本当にそれが適切な文献であるのかは、最後まで迷ったところである。

            次に写真の選定である。これには伊丹市昆虫館の奥山さんと長島さん、さらに小松君と島田さんに大変お世話になった。他の方々にも数点の写真を提供いただいた。

            同時に自主的な内容校閲である。全般を神戸大の杉浦真治さんに、社会性昆虫の部分を香川大の伊藤文紀さんにお読みいただいた。お二人の訂正は本当にありがたかった。また、杉浦さんは同世代で一番尊敬する生態学者だが、やっぱりかなりのことをご存知で、この方こそ本を書くべきだと思った。

            それから文章そのものの校正である。今回はとある個人編集者を介した企画だったのだが、その方の校正が全く役に立たなかった。それどころか改悪される一方で、二度手間を繰り返した。去る方によると編集者とケンカするほど良いものができるということだが、そういう意味では正解だったのかもしれない。

            心配だったので、普段からお世話になっている生物系編集者の本郷さんに見ていただいて、かなり改善された。同時に知人やその知人の昆虫素人さんたちにも見ていただき、わかりにくいところを教えていただいた。最後に光文社の編集方と同社の校閲部の方々にもかなり直していただいた。そういうわけで、実にいろいろな人に原稿を見ていただいた。

            恥ずかしがって原稿を他人にあまり見せない人がいるが、見てくれる人には全員に見せるくらいの考えで、一般書については「本当の意味でいろいろな人」に見てもらったほうがいい。

            本書に関してお世話になった方々、ありがとうございました。

            おわり

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            余談だが、出版直後にとある若手生態学者からネタ本があるのではないかと疑いのメールが来て笑ってしまった。もちろんそんなものは一つもなく、自分で書き集めたネタである。特定の分類群や共通の生態をもつ昆虫の生態的な総説はもちろん有用だし、「2」にも少し書いたが、分類学の総説にあるちょっとした記述は穴場である。

            今回の昆虫学会の学生の感想でも思ったし、ネット上の若手による論文紹介でも感じるところだが、系統と分類に関する知識がないと、なにが面白いのか、それが本当に面白い発見なのか、とんだ思い違いをしてしまうことがある。論文というのは方法論がしっかりしていれば、査読者によっては簡単に通ってしまうことがある。誰のとは言わないが、超一流雑誌に出た系統進化論文でも、甲虫屋の私から見たら、分類群の選択で大間違いのものもいくつかあった。

            あとがきに分類屋の私がこんなものを書いて良かったのかと書いたが、いろいろ虫を見ている(まだまだだけど)からこその、こなれた視点で書けた部分はあったと思う。また博物館で子供たちの質問に答える日々も役に立ったと思う。総花的ではあるが、昆虫のすごさを一般の人に伝える手段としては、良いものができたのではないかと思う。

            塩焼そば変形

            2011年の3月から5月までロンドンにいた。その滞在中、後半はアパートを借りていたので、毎日自炊していた。とはいってもロンドンのスーパーは私の苦手なパンとソーセージのようなものばかりで、なかなか良い食材がなかった。そのなかで唯一、中華麺モドキが救いだった。腰のないラーメンとうどんの中間のようなものである。バサバサのソフト麺のようなものともいえる。私はそれを使って毎日のようにあんかけ焼きそばを作っていた。ちょうど311で日本が大変なときで、「日本は大丈夫だろうか」などと鬱々と考えながら、作っていたのを覚えている。

            昨日は博物館のバーベキュー大会だったのだが、野菜がたくさんあまったので、もらってきた。作りそびれた焼きそば(まるちゃんの塩焼そば)があったので、ついでにそれももらってきた。そこで、あんかけ焼きそばを思い出し、作ってみることにした。

            作り方は簡単で、まず麺を蒸して、ほぐし、それから油でカリっと焼き上げる。それを皿にあげ、次に肉と野菜を炒める。それから、焼きそば付属の味付けの元をコップ一杯の水で溶かし、それに片栗粉を混ぜて、炒めた野菜に加える。それで一煮立ちしたら、焼き上げた麺のうえにかければよい。所要時間は10分ほど。

            あんかけ焼きそばは大好きなのだが、福岡には気軽に食べられる店があまりない(ラーメン屋は多いが、街の中華店があまりない)。なかなかおいしくできたので、また作りたいと思う。

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            日常へ

            学会が終わってから、妙にいそがしい。今日は学生4人と昆虫学会の反省会。感想や今後の展望について話した。

            今日まで吉武君が来ていて、カタゾウムシについていろいろ教えてもらった。本当にありがたい。

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            関係ないけど、「昆虫はすごい (光文社新書)」がようやくAmazonで「在庫あり」になった。売上も落ち着いたのだろう。

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            近所の川を覗いたら、クサフグとコノシロに交って、超大型のサヨリが泳いでいた。ここでは初めて見る。ダツかと一瞬考えてしまったほど。

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            研究室のガガイモが咲き始めた。手前のHuernia zebrinaはいつ見ても珍妙で良い感じ。

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