断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

FLASH

今週のフラッシュにカラーグラビア4ページで昆虫に関する話しを紹介していただいた。ジャポニカ学習帳から虫の写真が消えてしまうという悲しい報道があったばかりだが、大衆誌に虫の話題を取り上げてもらえるだけでありがたい。

f:id:dantyutei:20141127160947j:plain

f:id:dantyutei:20141127161003j:plain f:id:dantyutei:20141127161009j:plain 

日本のヒゲブトハネカクシ総説 第一弾

日本産甲虫の最難関であるヒゲブトハネカクシの総説を開始しました。タイプ標本の再記載です。2011年にロンドンとシカゴに行かせていただいて、そこで3か月近くかけてじっくりとタイプ標本を検討してきた結果です。これまで日本産種は既知種の正体が不明だったので、分類研究の大きな一歩になると思います。

それでようやくその第一弾である以下の論文が出ました。PDFが必要な方はメールください。

Zootaxa 3887 (3): 393–400
Synopsis of the Japanese species of Aleocharinae (Coleoptera:
Staphylinidae), with review of the type specimens I. Tribes Himalusini and
Leucocraspedini
MUNETOSHI MARUYAMA, SHÛHEI YAMAMOTO & TARO K. ELDREDGE

写真のProtinodesはルイスが東京で採集して以来、まったく採れていません。似たものをお持ちの方は、ぜひ写真をお見せください。系統的にすごく変わった種です(見た目は大して変哲ありませんが)。

f:id:dantyutei:20141125181201j:plain

そして、この論文ではLeucocraspedumという属もまとめました。3種が1種( rufotestaceum Bernhauer, 1927 )になったというだけです。琉球には別に1新種いますが、その記載はいずれということで。

f:id:dantyutei:20141125181439j:plain

 

いそいそ

来週から実験を再開するので、いそいそと部屋に散らばっている標本を整理している。机の上にワタラセハンミョウモドキがあったので、ハンミョウモドキの箱に仕舞ったのだが、そのときにエゾハンミョウモドキが目に付いたので、久しぶりにに観察してみたら、あまりにもきれいだったので、ついでに撮影してみた。

f:id:dantyutei:20141122191019j:plain

f:id:dantyutei:20141122192235j:plain

オオシロアリのハネカクシ

うっかりしていた。金尾君のオオシロアリのハネカクシの論文も出版されていた。大変な力作である。屋久島から1新属新種を記載している。PDFをご要り用の方はお知らせください。

Systematics of rove beetles (Coleoptera: Staphylinidae: Aleocharinae) associated with Hodotermopsis sjostedti (Isoptera: Termopsidae) - Kanao - 2014 - Entomological Science - Wiley Online Library

f:id:dantyutei:20130509120854j:plainHodotermopsis gloriosus

f:id:dantyutei:20130509120840j:plain

f:id:dantyutei:20130509120759j:plainYakuus iwatai

f:id:dantyutei:20130509120703j:plainTermophidoholus formosanus

彦山生物学実験施設

一昨日、ボランティアの城戸さんと宮さんと、彦山生物学実験施設に行ってきた。いつか引き取る予定の標本の下見である。庭で採集したことはあったが、中は初めてだった。

f:id:dantyutei:20141119133347j:plain

f:id:dantyutei:20141119125058j:plain

f:id:dantyutei:20141119130017j:plain

f:id:dantyutei:20141119131727j:plain

f:id:dantyutei:20141119131708j:plain

f:id:dantyutei:20141119131906j:plain

誰も来ない展示室がある。趣がある。

f:id:dantyutei:20141119131056j:plain

この石段を使って、どうやって標本を下ろすかが課題になるだろう。施設が出来た当時や戦後しばらくは、こんなことは朝飯前の人足がたくさんいたに違いない。

f:id:dantyutei:20141119133559j:plain

f:id:dantyutei:20141119134042j:plain

アリノスムグリ

幼虫期にゾウの糞で育ち、成虫期にツムギアリの巣に入るハナムグリ(クロバネエグリホソハナムグリ)の論文が出ました(1カ月前だったけど、気付かなかった)。凶暴なツムギアリの巣に入って、咬まれても全く気にしないで交尾してます。

122. Komatsu, T., Maruyama M., Hasin, S., WoragutTanon, V., Wiyanan, S., Sakchoowong, W. 2014. Observations of immature and adult stages in the myrmecophilous cetoniine beetle, Campsiura nigripennis (Coleoptera: Scarabaeidae). Entomological Science, in press.

Observations of immature and adult stages of the myrmecophilous cetoniine beetle Campsiura nigripennis (Coleoptera: Scarabaeidae) - Komatsu - 2014 - Entomological Science - Wiley Online Library

実は5年くらい前に共著者の知り合いが、成虫がツムギアリの巣に入っているところ撮影してネットにあげていて、その後血眼で探しました。まずは幼虫を落とし、次に成虫を落とし、結果として全生活史がわかったときには、とてもすっきりしました。

 f:id:dantyutei:20140109133802j:plain

「昆虫はすごい」ハウス

読者うんざり日記かもしれないが、「昆虫はすごい」は相変わらず好調。新聞広告を出してもらえたそうで、アマゾンで初めて100位台になった(ので、記念貼りつけ)。

f:id:dantyutei:20141117211300j:plain

この本、当初は売れる見込みではなかったようで、最初の増刷は2000部、3000部と少しずつだった。それが今では・・・。

一度本が売れると面白いもので、雑誌や新聞などからいろいろ執筆のお声がかかっている。でも、私としては便乗効果で、「アリの巣をめぐる冒険」と「アリの巣の生きもの図鑑」が売れて欲しい。前者はものすごく時間をかけて文章を練った自信作だし、後者は(客観的にも)本当に良い図鑑だと思う。

このブログをご覧になった方は、騙されたと思ってぜひ→