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断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

秘密計画

年が明けてずっと原稿を書きつつも、別の計画へ向けた仕事も進めていた。微小なハネカクシをひたすら展足し続けるという作業である。そして3日前から撮影を開始し、今日ようやく無事に終了した。本当に疲れた・・・。明日は昼から久留米で展示の撤収なので、のんびりとする予定。

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ひさびさ

今月末から2週間フランス領ギアナに行くので、その前に終わらせることがたくさんあって、忙しい。

13日に城戸さんと堀田君に手伝っていただいて、図書館でやっている展示の入れ替えをしてきた。今回は甲虫に代わって、トリバネやモルフォを中心としたチョウである。図書館の方にずっと昆虫でいいですと言われているくらい、なかなかの人気のようである。

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昨日はひさびさに畑に出かけた。もうすぐ雪だそうで、できるだけ葉物野菜を採った。ダイコンはだんだんと減ってきた。もうスが入り始めている。

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あけましておめでとうございます

今年もよろしくお願いします。

2015年もあわただしい一年でした。博物館では春から秋にかけて3つの展示をひらき、とくに夏場は関連行事に追われました。

『きらめく甲虫』(幻冬舎)、『アリのくらしに大接近』、『アリの巣のお客さん』(あかね書房)、『昆虫はもっとすごい』(光文社新書)と、本もいくつか出すことができました。

研究面では、10年続けた熱帯の好蟻性ハネカクシの調査もまとめの時期に入り、その実験を進めました。新年度早々に論文が出そうです。

また、2月のタイ、3月のマレーシア、4月のラオス、5月のカメルーン、8月のタイ、10月のコスタリカ、12月のタイと、それぞれ短いながらも、何度か調査に行くことができました。とくに5月のカメルーンは珍奇なハネカクシやツノゼミをたくさん得ることができ、印象的でした。

今年は今月末からのフランス領ギアナを皮切りに、3月のマレーシア、4月のラオスとタイ、5月のケニア、6月のアメリカなど、すでにいくつかの海外調査がひかえています。

学位論文提出予定の指導学生も2人おり、忙しい1年になりそうです。

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写真は年末のタイで採集した念願のマガタマツノゼミCamelocentrus sp. 

メクラチビゴミムシ

来年3月に昆虫学会と応用動物昆虫学会の合同大会が大阪でひらかれる。今回の「発表要綱」を読むと、「差別用語を含む昆虫和名などの使用は避けてください」という記述があり、少し驚いた。

昆虫学会第76回・応動昆第60回合同大会-大阪府立大学 | 発表要綱

おそらくこれは、日本の昆虫のなかで「差別用語」とされる言葉を残す「メクラチビゴミムシ」や「メクラゲンゴロウ」に対するものであろう。

他の昆虫では、メクラカメムシやメクラアブというものがいたが、前者はカスミカメムシに、後者はキンメアブにそれぞれ改称された。どちらも複眼をもち、差別用語である以前に、実態と異なるというのが改称の理由である(それでもわざわざ変える必要性を感じないが)。

しかし、メクラチビゴミムシやメクラゲンゴロウは実際に複眼を欠き、和名は実態をよく表している。

私は改名に反対である。

魚類学会では早々に差別用語を含む和名の改称を行ったが、明らかな行き過ぎである。たとえばイザリウオという魚がいるが、これはカエルアンコウに改名された。「躄る」という差別用語を含むというからである。しかしこの時代、「躄る」の意味を知っている人が国民の何割いるだろうか。ほとんど誰も知らないだろう。それでも差別用語になるのだろうか。

同様に「めくら」も、「躄る」ほどではないが、ほとんど死語になりつつある。いまどき、めくらという言葉を使って視覚障害者を嘲るような人はいるだろうか。逆に差別用語とはされず、生物和名に広く使われている「ちび」のほうが、よほど今でも一般的に使われる嘲笑する言葉であろう。

そもそも、差別は言葉そのものに宿るものではない。使う人の心の中にあるものであって、どんな言葉を使おうが、差別になるときにはなる。「めくら」を「めなし」に変えたところで、視覚障害者を差別する人が使ったら、使い方次第でたちまち「めなし」も差別用語に変化する。

ゴミムシが怒りだしたならともかく、あくまで生物に対して使われている言葉に対して、「差別用語撤廃!」などと神経質になるのは何ともバカげた話しではないだろうか。

ちなみに英名ではいまだに「blind」のつくものが普通に使われており(もちろん日本語の「めくら」とは完全に同義ではないが)、「sight-impaired」などと言い代えられてはいない。

おそらく生物和名から差別用語をなくそうとしている人たちは、ごく稀に現れる不快だと文句をいう人に対する対抗策として、事前に改名をしようというつもりなのだろう。臭いものにはフタというわけである。もしそうだとしたら、気にしすぎというほかない。

手前みそだが、拙著『昆虫はすごい』には、あえて伝統的に「メクラ」のつく和名を3つも登場させたが、13万部も売れて、誰からの文句もない。「世間はそれほど気にしていない」ということがよくわかった。

ーーー

蛇足だが、メクラチビゴミムシやメクラゲンゴロウがこれまで改名されなかったのは、この仲間の研究を牽引してきた上野俊一先生の信念によるところも大きい。われわれの世代以前の日本の甲虫屋で、上野先生の薫陶を受けなかった人はほとんどいないので、われわれの世代でこれらの和名が改称されることはおそらくないだろう。

いきもにあ

週末に京都で開かれていた生き物好き系文化祭「いきもにあ」に少しだけ顔を出した。すばらしい行事だった。

ホーム - equimonia

京都市内が込みまくっていて、京都駅からバスで一時間もかかって、ようやく会場に着いたら、もう残り1時間しかなく、いそいで各出し物を見に行く。「博物ふぇすてぃばる」と似たような雰囲気だが、会場がより広々としていて、歩きやすかった。

あちこちで吟味して、いくつか心が動いたものを購入した。ついでに懇親会にも参加。始めてお話しする人も何人かいた。

「あまのじゃくとへそまがり」さんのアリスアブの革細工。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3222431501/

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「カエル工房」さんのアマガエルのジオラマ。ものすごい完成度。

カエル工房~リアルかえるグッズ、レプリカ、フィギュア、ジオラマ、かえる 工房~

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「イワシ金属化」さんの錫合金のクロベンケイガニ。

イワシ金属化

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おなじみ、「みのじ」さんのダンゴムシトート。

http://www.minoji.net/

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ヒトダマハネカクシ

ヒトダマハネカクシの生態に関する論文が出版された。

Molecular Ecology 11/2015; DOI:10.1111/mec.13500

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/mec.13500/abstract

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新しいフラッシュ

中国製のマクロツインフラッシュを落手。微小種のマクロ撮影する人みんなが「こんなのが欲しかった!」と悶絶する設計。島田さんや吉田さんなど、知り合いにも買った人がいるので、壊れやすさ等をお試し中。非常に軽いし、使い勝手がいいし、これで頑丈だったら言うことなし。

しかも、279ドルと、キャノンの純正品の半額以下。一番怖いのは遠征で運ぶときに壊れることなので、近場で使う人は買って損はないと思います。(たぶん。) 

Flexible Macro Twin Flash KX800 | Venus Optics - Specialist in Macro Photography

なんでこのフラッシュがいいかというと、マクロ撮影ではディフューザーと発光部の距離をどうとるかが重要で、その点で、距離をかせげ、方向を自在に決められるのが良い。

なお、微小種のマクロ撮影は、ディフューザーの良し悪しが何より重要。いろんな人が試行錯誤しているが、その点でも、このフラッシュはさまざなま形式のディフューザーに応用できる。下の記事はアレックス=ワイルドのディフューザー解説。

A simple diffuser for Canon's MT-24EX macro flash - Scientific American Blog Network

ちなみにこのフラッシュをネットで見つけて、最初に島田さん教えたら、さっそく試してくれた。これを見て私も買おうと思った。ちなみにこの記事の写真ではディフューザーがないけど、島田さんも秘密のディフューザーを使っていますので、念のため。

ありんこ日記 AntRoom:ツインストロボ KX800

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