断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

プチ怒涛

 自宅のインターネットの具合が悪く、朝からNTTに来てもらったら、やっぱり不良があった。これで自宅でも仕事ができる。

「昆虫はすごい」がまた重版、第6刷り突入との電話をいただいた。

海外送金とメガネのレンズを入れに天神に行く。

大学ではテレビ出演の打ち合わせ。

その後、週末の昆虫大学に向け、パネルの準備を行った。

 

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それからハネカクシの解剖をコツコツと10個体ほど。

帰り際、科研費申請書の訂正が事務から来たので、急いで戻した。明後日から東京なのでぎりぎりで直せてよかった。ついでに去年落ちた若手Aの審査結果を初めて見た。すごいギリギリだったようだ。独創性と革新性がないのは自分でも良く理解しているので、落としてもらってよかったのだが、やっぱり悔しい。もう若手には出せないので。

 

  あなたの研究課題の平均点及び当該細目において採択された研究課題の平均点

 
評 定 要 素あなたの平均点採択課題の平均点
①研究課題の学術的重要性・妥当性 3.80 3.50
②研究計画・方法の妥当性 3.20 3.22
③研究課題の独創性及び革新性 3.20 3.39
④研究課題の波及効果及び普遍性 3.60 3.44
⑤研究遂行能力及び研究環境の適切性 3.60 3.50
⑥研究計画と研究進捗評価を受けた研究課題の関連性 (該当なし) (該当なし)

    ※当該細目に採択課題が無い場合は、採択課題の平均点は「0.00」と表示されます。 

吸え過ぎ君スティックファイナリアリティぷんぷんドリーム

台湾で世話になった学生の梁君の真似をして、吸虫管の吸い口の途中に、土を吸わないようにバイク用のオイルフィルターを付けた。吸うときの力も変わらないし、とても良い感じ。20年吸虫管を使ってきて、これが最終形態になりそう。

単純に網目の細かいフィルターを付けると、吸引力が極端に弱くなる。その点、これはフィルターは細かくても、面積が大きいので、吸引力が衰えない。

目下唯一の欠点はシリコン栓の隙間に虫が入り込むことがあること。これは改善の余地あり。良い素材を探している。

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研究再開

気ぜわしいが、今日からしっかり研究再開することにした。まずは保留にしているヒラタアリヤドリ属の研究である。その次にクサアリの新種を投稿したいと思っている。台湾に行って、いろいろな方と研究の相談をするうちに、いろいろな新案が出てきたのだが、まずは不良債権となっている課題を先に片づけなければと思った。

「昆虫はすごい」のおかげでいろいろな出版社から声がかかるようになったが、時間のかかりそうなものはほとんどお断りしている。引き受けるのはどうしてもやりたいものと時間のかからない監修関係のものだけである。やるべきことは教育と自分の研究を最優先とし、後はバシバシと断っていく勇気を持ちたい。

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「昆虫はすごい」の売れ行きは相変わらず好評で、在庫がある限りAmazonの1位が続いている。Amazonは書評にしっかりしたものが多くて、その点がとてもありがたい。読んで「たしかにそうだな」と反省することも多い。

Amazon.co.jp: 昆虫はすごい (光文社新書): 丸山 宗利: 本

 

橋本さん来福

橋本さんがお見えになったので、博多で蟻屋の飲み会。大変面白かった。写っていないが小松君もいる。

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タイかマレーシアから種をとってきたヒルガオ科植物。かなり大きくなったのにまったく花が咲かないので、超遅咲き(短日性)のようだ。寒くなったので枯れる可能性があったのだが、ようやく蕾が付き始めた。咲くのが楽しみである。

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帰国

昨晩、台湾から帰国した。

ツノゼミなどの生物地理を研究している国立台湾師範大学の林仲平先生の研究室を訪問し、今後の共同研究の相談をした。いろいろと面白い案が出て、非常に建設的な打ち合わせだった。

またトンボやゲンゴロウを研究している汪澤宏先生もお見えになり、台湾のゲンゴロウ事情をお聞きできたのは収穫だった。日本では絶滅寸前のフチトリゲンゴロウもいるところにはいるらしい。

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同じ大学で爬虫類と魚類を研究している林思民先生(前日に台中でもお会いした)の研究室にもお邪魔した。いろいろな魚やトカゲが飼育されており、とても面白かった。

f:id:dantyutei:20141028172721j:plainこの写真は台中

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その後、黄仕傑さんのご案内で台北の森でアリヅカコオロギを探した。しかし見つからず。

それから、今回は歓迎の嵐で、お金を使うことがほとんどなかったので、本屋さんに連れて行っていただき、たくさん本を買った。自然史関係の本が日本並みに充実している国はアジアでは台湾以外にないだろう。

空港にカタゾウムシの巨大模型があった。

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今回はとにかくあちこちでいろいろな方にお世話になった。みなさん本当に良い人で、いつも感激した。これほど気持ちの良い旅行はこれまでになかったと思う。台湾の昆虫相や昆虫に関する知見に出来るだけ貢献できればと思った。

北へ

朝食は台南名物のサバヒーの食堂に出かけた。タイやマレーシアで食べたときにはあまり美味しい魚とは思えなかったが、気温が低いせいか脂が乗っていて、とてもおいしい。サバヒーを見なおした。

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食堂の裏手にある台湾最初の学校を見に行く。

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日本時代に補修に際して献金した人の碑がある。日本の企業や個人も名を連ねている。ここにいた案内係のおじさんがわざわざ見せてくれた。

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それから台中の国立自然科学博物館へ。ハムシの李奇峰さんやシロアリの李後鋒さんなど、私と会いたいという方々が集まってくださったそうだ。ありがたいことです。

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カタゾウムシの分子系統をやっている曾惠芸さんという院生の方がいて、ルソン北部の離島の貴重なカタゾウをたくさんいただいてしまった。

http://web.ntnu.edu.tw/~treehopper/index.php?page=people&p=hui_yun_tseng&lang=zh

カタゾウムシの色彩が警告色であることを初めて検証した論文を最近出版した人。

http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0091777

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今日は黄さんのお宅に御厄介になる。私の本を全部買ってくださっていた。感激。

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近所のおいしい中華料理店でご馳走になった。

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このビールがおいしかった。

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寝る前に臭豆腐の料理。満腹・・・。後味に臭みがあるけど、美味しい。

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台南へ

25日は朝一番へ台南へ戻る。

社頂の研究所をあとにする。初日が特別に暑かっただけで、あとは風が涼しくて快適だった。

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藍先生の研究室へお邪魔し、標本を見せていただく。こうやって墾丁の標本を大量に採集し、集積し、専門家に同定を依頼している。すごい労力である。

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その際、台湾で進行している多様性解明事業についていろいろ教えていただいた。一番すごいと思ったのは「臺灣物種名錄」。まだ完全ではないが、非常に充実して使いやすい種名のデータベース。日本でもこれを先につくるべきではないかと思った。

http://taibnet.sinica.edu.tw/

あと、前から知ってはいたが、在野の方が作られている昆虫の写真サイト「嘎嘎昆蟲網」。これも国のデータベースと協力しているそうだ。日本にも同じような素晴らしいサイトがたくさんあるけど、国のデータベースと協力関係にあるという話しは知らない。

http://gaga.biodiv.tw/9701bx/in94.htm

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夜はヤギの鍋のお店へ。とてつもなくおいしかった。

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この晩は藍先生の学生さんの家に泊めていただいた。黄さんと梁君と深夜まで虫の話しで盛り上がった。

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香蕉湾と壽峠林道

24日は最後の採集日だった。ということを知らずに1日を過ごした。この日は藍先生はお帰りになり、黄仕傑さんのご案内で、小松君と梁君と4人でまわった。

台湾最南端のセブンイレブン。台湾にはいたるところにセブンイレブンがある。店内には「関東煮」と書かれた<おでん>が売っている。

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午前中は香蕉湾へ。素晴らしい海岸林なのだが、あまりにも特殊な環境で、一朝一夕には虫が採れそうもない。1時間ほど散策してお昼休みとした。

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ゴバンノアシの花。

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お昼は海辺の食堂で、ここの名物の魚のチャーハンとネンジュモ属の「雨來菇(雨後のキノコの意味)」を食べた。日本で言う「石クラゲ」だが、こちらでは栽培されている。食感が良くて美味しい。

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午後からは壽卡林道というところへ連れて行っていただいた。良い森だが、とくに保護区ではないそうだ。台湾には良い森があちこちに残っているということを知った。

シイ属の木を長竿で掬って、シカツノゼミを採ってもらったりした。

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立派なナナフシも。

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夜は餃子。

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セブンイレブンで犬が買い物をしていた。

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社頂

昨晩はものすごい暑さで、全身ベトベトで起床した。皆さん暑さで苦しんだようだ。

昨日も植物園を歩いた。めぼしい成果はなかったが、ツシマハリアリからオオエグリゴミムシと正体不明のアリヅカムシが採れた。それと、梁維仁君のお手柄で、ハシリハリアリから、これまでマレーシアとタイからのみ知られてた属の新種が見つかった。これは嬉しいし、びっくりした。

小松君は復活したが、私もずいぶんと石を起こして疲れてしまった。

隆起サンゴの森で、とにかく起こす石が多い。公園なのに倒木がそのままになっているのもいい。

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ゴバンノアシが成っていた。

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益本さんは不調で、昨晩はホテルにお泊まりとなった。夕飯は恒春の町で餃子の専門店。とてもおいしい。

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今日は宿舎の周辺、社頂を歩きまわった。私は昨日のハネカクシの追加が採りたくてたまらなかったのだが、それは見つからなかった。しかし、帰り際にタイワンシロアリの菌園を掘りだした。形の美しさに台湾の先生方は大喜びだった。今回は相当菌園を探していたのだが、乾季の厳しい場所のせいか地下の深くにあるようで、なかなか見つかなかった。

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夕方、全員で大騒ぎしながら菌園を崩した。そこからTermitodiscusというこれまでインドからのみ見つかっていた属のハネカクシが見つかり、一同大喜びした。しかし、1頭だけのそれを撮影中に失くしてしまうという事件で今日の採集は幕を閉じたのだった。菌園さえ見つかればまた採れるだろう。

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f:id:dantyutei:20141023211654j:plain黄仕傑さん撮影

墾丁公園の昆虫全体の調査の一環で今回はお呼ばれしている。皆さんは遅くまで罠で採れた虫の仕分けをしている。

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海辺にて

昨日は南仁山というところで、往復10キロほど歩いた。小松君は石を起こしながら歩いていた。突き当りの頂上近くに貯水池があり、いかにも水生昆虫が豊富そうだったので、小松君は夜になってそこに出かけた。

今朝小松君が疲れ果てた顔をしており、血尿が出たという。たしかに20キロ近く歩いて、重い石を起こしまくれば、そうなるだろう。

昼からは墾丁公園森林遊楽区というところを調査地とし、宿泊は社頂というところにある国立公園の基地になった。ここもwifiがある。

森林遊楽区はなかなか楽しいところで、石がごろごろとしている。今日は小松君に代わって私もたくさん起こした。ハネカクシやアリも採れたのだが、傑作は30センチくらいの石の下に空間があって、そこにヘリグロヒキガエルが10頭くらい寄せ集まっていたこと。たぶん昼間のねぐらなのだろう。