断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

文藝春秋

このごろは「昆虫はすごい」に関連する文章を少し書いてほしいという依頼を受けることが多い。そしてなんと文藝春秋からも依頼があり、「巻頭随筆」に3枚ほど書かせていただいた。こんな機会は一生なさそうなので、じっくりと直しながら書きたかったのだが、ちょうど忙しい時期で十分に時間をとれなかったのが心残りである。しかし良い記念になった。担当編集者の方には「こんな機会は一生ありませんので、ありがとうございました」とお礼を申し上げた。

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このきっかけとなった新書もさらに増刷となった。最新の帯に光文社新書で年間売上第2位とあった。執筆を1年放置して、編集の方に「こんどこそ締め切りを守ってくださいよ」と困った顔で念を押されたと前に書いたが、結果的にその方の顔を立てられたのも嬉しい。

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大掃除

今日は朝から学生総出で実験室の大掃除をした。本格的な掃除は久々で、床にワックスを塗ったりもした。

自分の実験もひと段落し、山本君と高田さんの実験指導を再開した。二人とも、何とかなるだろう。山本君は実験量が半端ではない壮大な計画なので、あと2年ほどは実験漬けになるだろう。

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新しいドイツ箱用の展示ケースを発注し、それが納品された。脚が取り外せて、しかも発送できる(160センチ以内)という設計にした。安定感もよく、気に入っている。来年の夏に千葉でやるカタゾウムシ展で使っていただく予定。

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淡々と

金尾君の博士論文仮提出が10日に終わった。しかしこれからさらに訂正を加えなければならない。山場は年明け早々あたりか。

私は淡々と実験を続けている。18種分の合計90シーケンスがようやく終わりに近づいた。残すところ3シーケンスのみ。1種の1領域はPCRが全然増えないので、少し困っている。

今日は坦々麺を作ってみた。甜麺醤と豆板醤と生姜を炒め、そこに細かく刻んだ豚肉を加え、酒とみりんで味を調えて、肉みそを作る。そこに鳥ガラスープとすりごまをたっぷり加え、野菜をぶっこんで、汁と具の完成。こないだこれで鍋をしたらおいしかった。

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クサアリ指南

大阪教育大の乾先生の教え子の政田君が卒論完成に向けてクサアリの同定を習いにやってきた。クサアリの種同定は日本のアリのなかでも最難関であるが、慣れると案外できる。と思っていたが、決定的な形質を教えても、やはり初めての人には難しいようだ。いつかクサアリの絵とき検索を作らなければと思っているが、どう作るかが悩みどころで、主要な形質を複数立てて、2通りくらいの検索表を作るのが確実ではないかと思っている。

 

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Termitodonia

また新しい論文が出たので、お知らせ。これまでジャワ島産の一種のみが知られていた好白蟻性のTermitodonia属を再記載し、タイとジャワ島から2種を追加した。これも10年くらい前からやろうと思って放置しておいた仕事で、ようやく陽の目を見た。好白蟻性種としては大型でかっこいいハネカクシ。

Maruyama, M., Kanao, T., 2014. Taxonomy of the termitophilous genus Termitodonia Cameron (Coleoptera: Staphylinidae: Aleocharinae). Koleopterologische Rundschau, 84: 193-200.

https://docs.google.com/viewer?a=v&pid=sites&srcid=ZGVmYXVsdGRvbWFpbnxteXJtZWNvcGhpbGVzfGd4Ojg4ZjEyZjI1OWNiNTM0Mg

 

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マハシール

うちで飼っている魚の種名がようやく判明した。Neolissochilus soroidesという種で、一般にマハシールと呼ばれる仲間だそうだ。同じくマハシールと呼ばれ、その代表であるTorという属だと以前は思っていたが、違うようだ。マハシールの大きなものは1メートルを超えるが、この種も野外では40センチくらいにはなる模様である。飼育下では30センチ程度だろうが、近いうちに大きい水槽を買おうと思っているので、よかった。鱗が大きく、サメのような体型で、とにかくかっこいい。

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 私はひたすら実験など。そして夕方に久々に茶坊主が来た。ひどい風邪を引いて病臥していたとのこと。

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 今日はあまりにも寒かった。タンタンタンメンを作った。坦々ゴマ鍋の素とトリガラスープにすりごまを加えた。なかなかうまくできた。

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放映終了

昨晩、「コージ魂!!」の放映があった。私はBSが見られないから、まだ見ていない。いろいろな方から面白かったと感想をいただいた。

ここに放送終了後のディレクターの喜田さんのコラムがある。

BS日テレ - 「加藤浩次の本気対談!コージ魂!!」番組サイト │ 放送内容

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ジャポニカ学習帳

ジャポニカ学習帳の表紙から昆虫が消えたというのが最近になって話題になっている。実は数年前から消えていたと撮影者で写真家の山口進さんから伺っていた。理由は下記のリンクに書かれている通りである。


Yahoo!ニュース - ジャポニカ学習帳から昆虫が消えた 教師ら「気持ち悪い」 40年続けたメーカーは苦渋の決断 (withnews)

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昔は子供が多かったこともあって、どこのスーパーマーケットのレジの近くにもジャポニカ学習帳がたくさん配架されており、私は自分に関係のない分野の表紙と奥付を立ち読みするのが習慣になっていた。外国の虫の生態写真が載った本は少なかったので、この本で始めて生きた姿を見た虫や、その存在を知った虫は非常に多かった。もちろん植物も好きだったので、見たことのない植物の写真は常に新鮮だった。

山口さんと知り合ったのは比較的最近で、そんな表紙の撮影者とお会いできたのは非常に光栄で、嬉しかった。 

昆虫の写真がなくなってしまったのは、いろいろな点で悲しく、理由を知れば腹立たしいことである。しかし、考えてみればショウワノートが最近までこのような事業を続けてくれたことは奇跡であり、同社のこれまでの教育的貢献を讃えるべきであろう。そして、植物は継続して表紙を飾っている。それだけでも驚異的と思いたい。

 山口さんといえばいろいろな面白い本を出されているが、数年前に読んで感動したのがこの本「地球200周!ふしぎ植物探検記 (PHPサイエンス・ワールド新書)」。題名の通り、珍奇植物を探し求めて地球のあちこちを旅した話だが、軽く1冊にまとめるには余りにも濃い内容で、頁をめくるのがもったいないほど面白い。とくにショクダイオオコンニャクの撮影の苦労には、同じ野外調査者として頭の下がる思いだった。