断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

木船先生の標本と文献

今日は故木船先生の標本と文献を受け取りにご自宅に伺った。書籍や論文は予想外の量で、軽トラが満杯になってしまった。棚から下ろし、紐で縛り、軽トラに積んで、大学で下ろしてひとまず廊下に並べた。とても良い本もあり、ありがたかった。標本も重要なものがあり、ネジレバネのホロタイプが複数出てきたのには驚かされた。

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本の執筆

この8月の末に講談社と東京書籍から2冊の本が出ることになっている。どちらも写真を主体に私のエッセイを含むものである。とはいっても全く毛色の違う内容である。

これまでこの2冊の関係の執筆などに追われていたのだが、ようやくひと段落した。あとは校正と小さな加筆である。

明日から一時中止になっていた学生の系統解析の手伝いと、アフリカのヒゲブトオサムシの展足を黙々と行う予定である。楽しみだ。

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北海道に行ってきた

6月24日から29日まで北海道に行ってきた。小松君の撮影の手伝いを兼ねて。

まずは道東地方へ海岸の虫を探しに。ドウイロハマベゴミムシやホテイウミハネカクシが見つかった。

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それから堀さんのご案内で、メクラミズギワゴミムシを採りに行った。大変だったけど、なんとか採れて満足。Masuzoaというメクラチビゴミムシも欲しかったのだが、時期が少し遅かった。

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山内さんに灯火採集をしていただいた。ミヤマクワガタがわんさかと飛来して、とてもうれしかった。

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乾さんとその学生さんが来て、クサアリの採集をした。某施設の方々のお手伝いもいただき、ものすごくたくさん採れた。北海道はコロニーが多い。

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最後の夜は黙々とゲンゴロウを採集した。闇夜に泳ぐゲンゴロウを掬うのは、本当に楽しくて、夢中になってしまう。

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帰り際に初日にかけたトラップを回収。オオルリオサムシをたくさん採集した。とにかくいろいろ採った旅行だった。

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ヒゲブトオサムシの19新種

久々に大きめの論文を出版した。ヒゲブトオサムシ属Paussushystrix種群の19新種である。いろいろな方にいただいた標本や、これまでに自分で採集したものが中心で、早く出したいと思っていたが、関係者との調整や記載そのものに時間がかかってしまった。ようやく大きな肩の荷が降りた感じがする。すべての全形図を世界一の標本画家、川島逸郎さんにお描きいただいた。論文であると同時に、立派な画集ができたともいえる。お世話になったみなさん、ありがとうございました。

Maruyama, M. (2016)

Revision of the hystrix Westwood, 1850 group of the genus Paussus Linné, 1775 (Coleoptera: Carabidae: Paussinae) I. Descriptions of nineteen new species.

Japanese Journal of Systematic Entomology, 22 (1): 55–86.

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『ベストエッセイ2016』に選ばれました。

文藝春秋の2015年新春号の巻頭エッセイとして掲載された「昆虫からヒトを知ること」が『ベストエッセイ2016』に選ばれました。

忙しい時期にバタバタで出してしまったので、あまり自信のある文章ではなかったのですが、読み返してみるとそれなりに書けていたのかな、とも思いました。

 

www.mitsumura-tosho.co.jp

 

ケニアから帰りました

5月26日から6月11日までケニアに行っていました。治安など心配だったのですが、無事に帰りました。心配するようなことは一つもなく、ケニアは人も良いし、食べ物もいいし、調査もしやすいし、とても気に入りました。(おかねはかかりました。)

調査の様子を。

Kakamega  5月28日~6月4日 

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普通にいたシマウマ

f:id:dantyutei:20160602122450j:plainルリアゲハ

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目的はツノゼミで、20種以上採れた。

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森の中の草原。

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シンジュタテハ

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ツノゼミが多かったAcanthus pubescensというキツネノマゴ科の植物

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ジュズヒゲムシを採集する松村さん。

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アカシアツノゼミを採集する小松君。f:id:dantyutei:20160601135223j:plain

ヒイロタテハ

 

Marigat - Loboi   6月4日~6月9日

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初めての半砂漠の採集は楽しかった。

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砂漠らしいゴミムシ。

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毎日シロアリの巣を掘っていた金尾君。右は日焼けした小松君。

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アフリカ名物のニイニイゼミ。

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大きな塚。

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フラミンゴ(近くのボゴリア湖にて)

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金尾君がようやくつかまえたハネカクシで祝杯。

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シロアリの女王。

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近刊「世界甲虫大図鑑」

もうすぐ出ます!「世界甲虫大図鑑」(東京書籍)!

少々値が張りますが、600種が大きな写真で図示解説されており、1種11円と考えると、かなりお得。むしろ安いです。600種はよく選ばれており、大型美麗種の代表種が程よく網羅され、世界で初めて図示される種も少なくありません。予約購入、ぜひよろしくおねがいいたします。

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