断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

アリ届く

今日はウィーンから2通の封筒が届いた。中身はあける前からわかっていた。ひとつはヨーロッパ産の珍しいアリのDNA用液浸で、珍種のLasius (Austrolasius) carniolicusが入っている。もうひとつは化学分析用の生きたヨーロッパクロクサアリLasius (Dendrolasius) fuliginosusである。後者の状態が心配だったが、無事にいくつかの個体が生き残っていてくれていた!

生きたアリに餌を与えたら、飢えるように集まっていた(実際に飢えていたのだろうが)。これから実験で殺してしまうのに、「長旅ご苦労さん」というような声をかけてあげたくなった。

早速、carniolicusのDNAを抽出し、PCRを行った。10年前の状態の悪い液浸標本で、増えるかどうか心配だったが、案の定全然増えなかった。とりあえず別の個体でも試すが、今年スペイン産の新鮮な標本が届く予定なので、それに期待したい。

写真は先日君津市で撮影したヒゲナガケアリとアブラムシ。