断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

今日は西部の国立公園をそばまで行くことになった。7時に運転手付きのレンタカーが迎えに来て、それに6人が乗り込んだ。合計7人は目一杯で、かなり窮屈だった。しかも、車の調子もそんなによくないようで、終始重そうに走っていた。標高が下がるにつれ気温が上がるが、車にクーラーは付いていない。

途中、カニクイザルの溜まり場に寄ったり、家畜小屋に寄ったりし、昼前にようやく目的の放牧地へ着いた。今回の調査の目的は糞虫だったのだが、今日になってようやく調査にとりかかることができたわけである。この場所は以前に大原さんが散々採集したそうなので、あまり重要ではないが、時期が違うこともあって、試してみる意味はあった。しかし、牛糞を起こすも、小さなエンマコガネの一種Onthophagus sp.や、ガゼラエンマコガネO. gazella、大型の糞虫の一種Onitis sp.が見つかるのみで、それ以外のものがほとんど見つからない。

1時間ほどで諦め、昼食にする。牧場の近くの食堂でニワトリの丸煮を食べた。これがかなり辛いが、とてもおいしかった。また、食堂の窓ガラスにとまっていたきれいなタマムシを採集したのは嬉しかった。

話し合いの結果、今の平地の牛糞は時期ハズレということになり、昼食後に宿舎に戻ることになった。途中、人家の庭先でタイワンダイコクコガネの一種Catharsius sp.を採ったりしつつ、ゆっくりと帰ると、もう薄暗くなっていた。結局、今日は車の移動だけでも、往復で8時間以上かかってしまった。

宿舎に着き、こんどは用意していた人糞トラップを設置することにした。途中、驚くべきものを見つけた。なんと、昨日、野犬に盗られた鶏肉が、吐き戻されて地面に転がっているではないか。さすがの野犬も腐肉ではお腹を壊したようだ。

写真はOnitis sp.