断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

7時起床。まずは鶴君についていき、マレーズトラップの下にフルーツパックを置かせてもらうことにした。便乗のFITである。

昼食を作っていたら、小松君が戻ってきた。なんとヒメサスライアリの一種の野営を見つけ、そこからハネカクシをいくつか採集してきてくれた。トランシーバーで呼び出したが通じなかったとのこと。調べると電池が切れていた。

昼食後、その場所へ行ってみる。あらかた採り尽くしてこちらの作業する隙はなかった。地面を掘るとシロアリの菌園が出てきたので、崩して観察すると、ノミバエの一種が見つかった。それにしても小松君の採集したハネカクシは見事だった。2種含まれており、1種は昨年採集したMalaybergius aenictophilusだったが、もう1種は明らかな新種であり、少なくともヒメサスライアリからは知られていない属群のハネカクシの仲間だった。

午後からはサスライアリDorylus laevigatusのトラップを仕掛けてまわる。網籠を地面に埋め、そこにヤシ油を流す。運がよければヤシ油に誘引されたサスライアリを一網打尽にでき、そのなかから好蟻性昆虫を拾い出すことができる。問題はトラップが先にヨコヅナアリの仲間Pheidologetonに占拠されてしまうこと。そうなるとサスライアリは現れない。だから仕掛けるときにはヨコヅナアリのいない場所をなるべく選ぶ必要があるが、それもなかなか難しい。

場所選びも大変だが、仕掛けるのも一苦労で、樹木の根が縦横無尽に交叉している土壌を掘ることは容易ではない。30個近く埋めると、かなりの時間と体力を使った。