断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

遅く起き、洗濯などをして午後まで過ごす。スカシバトラップのあと、16時半に森へ出る。

地面を見ながらゆっくりと歩き、1時間後にヒメサスライアリの姿を見つけることができた。どうやら先日逃したAenictus cornutusである。巧みに樹上を行き来する姿を見て、改めて樹上性種であることを確信した。行列をたどると、高さ4メートルあたりのヤシの実の付け根に巣があることがわかった。いそいで脚立とバケツを取りに戻る。

実の付け根を慎重に鋸で切る。大量の幼虫が見えた、と思ったら、実の重さに耐え切れず、片手に持ったバケツを落とし、はずみで実も落としてしまった。大急ぎで拾うが、幼虫の半分ほどを周辺に散らかしてしまった。

宿舎へ戻り、いつものように仕分け作業。巣を落としてしまったことが悔やまれる。しかし、半分は確保できたので、蟻客がいれば必ず採れるであろう。

結果は何の蟻客も見つからず。アリが細い枝を歩き、高い樹上に高速で登る様子を見て、これは蟻客が身を寄せるには厳しい種だろうと思ったが、案の定であった。しかし蟻客の有無は完全な巣を見てから判断したいとも思う。

20時半から少し森を歩くが、ヒメサスライアリは見つからず。夜のおたのしみを済ませて今日は早めに休むことにする。

22時半ごろに宿舎のお兄さんが「eat?」と聞いてきた。どうやらセミナーの食事が余っているらしい。鶏肉のカレーや魚の揚げ物をいただく。涙が出るほど辛かったが、おなじくらいにおいしかった。

23時より突然の大雨。今日は早めに森へ出ておいてよかった。