断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

15時に屋久島の宮之浦に到着。レンタカーを借り、タッパーなどの買出しをした後、南部へ主目的のオオシロアリを探しに行った。16時頃からあちこち探して回るが、良い倒木が見つからない。残念ながら成果のないまま薄暗くなってきてしまった。まあ、今日見つかったら、明日以降にやることがなくなるので良しとしよう。
雨はしとしとと降っているが、採集できないほどでもない。
それから海岸へ出かけ、ヤクシマキバナガミズギワゴミムシという最近記載された潮間帯性のゴミムシを探した。
大きな転石の間の小石を起こし、すぐに発見することができた。結構な密度で生息しており、あっという間に7、80頭を採集し、日本ゴミムシ愛護協会からの苦情が来ないうちにやめにする。現在、このグループの分子系統をアメリカのマディソンさん(マッククレードを開発した人)と共同研究しており、その材料になる。
この種はトカラ中ノ島から記載されたツツイキバナガミズギワゴミムシにそっくりで、はっきりいってどこが違うのか私にはわからない。この外形の「種」は奄美から本州中部の沿岸にかけて分布しているのだが、屋久島だけ別種というのもヘンな話しのような気がする。後翅が退化しているので、それとも各地で分化しているのだろうか。
このあたりの問題については、分子系統が何かの示唆を与えてくれるだろう。
よく見るとかっこいい。が、記念すべき「虫の日」にこの虫とは少し寂しい。



それから宿の水明荘へ。宮崎駿の定宿だそうで、玄関にもののけ姫とかトロロなどの色紙が貼ってある。川べりにある民宿で、窓からの眺望がすばらしい。

夕飯は、トビウオのから揚げの甘酢かけ、刺身(おそらくヒラアジ、メバチマグロ、サバ類)、豚のあばらの煮物、タコとところてんの酢味噌、ゴーヤーのおひたし、つみれの吸い物。どれもおいしかった。