断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

私は魔境に生きた―終戦も知らずニューギニアの山奥で原始生活十年 (光人社NF文庫)

私は魔境に生きた―終戦も知らずニューギニアの山奥で原始生活十年 (光人社NF文庫)

終戦間際のニューギニア、進路退路ともに断たれた日本兵17名がジャングルに籠城するところから話しが始まる。多くがマラリアの病に倒れ、最後に生き残った4人は終戦を知らずにジャングルのなかで10年間を過ごす。その間の、食料の確保、畑地の開墾、狩猟、果ては鍛冶まで、生きるためのすべてを尽くした様子が綴られている。今年読んだ本のなかで一番衝撃的だった。何よりも、食べることの大切さと重みを学ばされた。過酷な環境で生きるために必要な意思の力強さが胸に響いた。