断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

タナゴ釣り

小松君と小松君と展示用のタナゴを採りに佐賀に出かけた。本命はニッポンバラタナゴだったのだが、今回も採れず・・・。

河野君が高校時代に遊んでいたという川に。オヤニラミとアリアケギバチとスナヤツメが採れた。どれも初めて自分で採るもので、とてもうれしかった。

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その場所。ここにはトゲナベブタムシもたくさんいた。(昔、中島さんと通りがかった川と同じ川かな。) 河野君は太り過ぎて胴長がパツンパツンという事態になっていた。

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遅めの昼食は「井手ちゃんぽん」。小松君の皿にネギを移動するのが大変だった。

小松君は野生のタナゴを始め、魚類はすべて初めて見たそうで、終始「かーーー!!」(小松君が興奮すると出す声。フランス語のRみたいに喉の奥から出す感じ)と興奮していた。

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アリ屋歓迎会

昨晩は緒方先生のはからいで、新たに九大に着任されたハキリアリ(キノコアリ)の村上さん、そして小松君の歓迎会がひらかれた。「河童」というすき焼きの店で、とてもおいしかった。その後、中洲のバーで、23時ごろまで盛り上がった。

細石君もいるし、アリ関係者でなにかやろうという話しに。「学内のお仕事で忙しい緒方先生をアリ研究者に戻そう」という感じでもあった。

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チューリップは最終日という感じだった。

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花束のように咲くこの原種チューリップはいい。昨年まで4年間植えっぱなしだったので、ことしは少し散らして植えたら、かなり花が咲いた。

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空港展示

一昨日は午後から山本君用の標本棚を標本室に移動した。改めてみると、私の持っている桐箱は300くらいありそう。これからはできるだけドイツ箱に移して、桐箱を譲渡していく予定。

夜22時から空港へパネルの入れ替えに出かけた。今回は当館、ハチ(サッカーチーム)、軟銀行(野球チーム)の展示を相互に配置換えするので、3社揃っての作業だった。

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桜散る

構内の桜が散り始めた。そして私の科研費(若A)も、想定内ではあったが、花と散った。

昨日は標本箱の運搬作業で疲れ果ててしまった。今日は午前中にたっぷり休んで、近所のマックで本を読み、夕方から出勤した。

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EsakiaのPDFが届いたので、先日の各記事のダウンロード先を貼り付けた。

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夕方、新しく修士1年として九大に入学する河野君が顔を見せに来てくれた。さっそく、今週タナゴ釣りに行くことになった。

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河野君は筋金入りの虫屋で、趣味は渋いが虫の好みははっきりしている。そんな彼は何を研究しようか迷っている。

虫屋の学生が自分の好きな虫を研究すると不幸な結果につながる可能性がとても高い。これは過去にさまざまな例を見てきた。好きという考えを一切捨てて、純粋に生物として面白い虫を探すのが賢い考え方である。

「好きでもない虫を研究」というと憂鬱になるかもしれないが、不思議と研究をやっているうちに、最初は地味に感じた虫がどんな虫より美しく見えるようになるものである。かくいう私もハネカクシには微塵も興味がなかったが、始めてみるととてもかっこよく見える。(研究対象を美しく思うというのは、大切な姿勢だと思う。)

同じようにして、農業に有益であるとか、人類の役に立つとか、最初から思っていもいない大義をかかげるのもばかげている。そういう夢のような物語を描くのは研究費をとるうえでは免れないが、最初から自分にウソをつくような真似はやめたほうがいい。(もちろん、心から日本の農業に貢献したいとか、殊勝な考えを持っていれば別だけど。)

とにかく、自分はもちろん、他人が聞いても面白いだろうなと思う研究対象を探すことである。また、その「他人」をどの範囲まで想定するかも大事なことである。

問題は学生の知識でそういう材料を探せるかどうかである。そうなると教員の意見が大切になることが多いのだが、この競争の厳しいご時世、教員の責任はますます重くなるのかもしれない。あるいは、その時点で学生の素質はある程度決まるのだろうか。

ひおしがり

玄関から徒歩1分の河口に潮干狩りに出かけた。潮干狩りのことを「ひおしがり」と言っている小松君と、ヘビとカエルの吉村さん、事務のお姉さん夫妻、本部のお兄さんで出かけた。

今年は数は多くないが、粒が大きいようだ。黙々と掘り続け、誰ともほとんど会話がなかったのだが、それでも不思議と近くに誰かがいると楽しいものだ。しかし今日は北風が強くて気温が低く、2時間ほど水に触れて冷え切ってしまった。

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マテガイを探して泥を深く掘っていたら、手で絵付けた有田焼がでてきたので、とりあえず拾ってきた。

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さようならエサキア

金曜に今年で最後(休刊)となるEsakiaの別刷りが届いた。最後なので欲張って4つも出した。4番目のものは小野さんががんばってくれた。

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今日は生物研究部の米ちゃん卒業祝いがあったそうで、私は出ていないが、色紙の記入を頼まれた。「学生だけだとその場で捨てられる恐れがあるので、先生も書いてください」とのことだった。写真は柿添君のFBより。

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Esakia 4

小野広樹さんデビュー作。「潮間帯性イソハネカクシ属の日本からの5新種」。こんなにいたとは。でも、そろそろ打ち止めだと思う。砂礫の間隙におり、砂礫の大きによって体の大きさも異なる。ミミズハゼみたいな進化を遂げたのかもしれない。上段の種は地上近くの浅いところにいるが(右端のH. miyataiは飛翔中のものが四万十川の河口で得られたのみで生活場所は不明)、下段の種は深いところにいて、後翅を欠き、目は退化傾向にある。この属の分類学的位置は定まっておらず、その点も含めて、今年は分子系統用の材料を集める予定。

Ono, H. & Maruyama, M., 2014. Five new species of the intertidal genus Halorhadinus Sawada (Coleoptera, Staphylinidae, Aleocharinae) from Japan. Esakia, (54): 41-50.

https://sites.google.com/site/myrmecophiles/home/papers-english/119_Ono_Maruyama_Halorhadinus.pdf?attredirects=0&d=1

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1, H. inaequalis Sawada, 1971; 2, H. kawashimai Ono & Maruyama sp. nov. (paratype); 3, H.aequalis Sawada, 1971; 4, H. miyataorum Ono & Maruyama sp. nov. (paratype); 5, H. sawadai Maruyama & Hayashi, 2009; 6, H. miyakei Ono & Maruyama sp. nov. (paratype); 7, H. masakazui Ono & Maruyama sp. nov. (paratype); 8, H. satoi Ono & Maruyama sp. nov. (paratype). Scale: 1.0 mm.

Esakia 3

これも時間をかけて検討した。「クロオビヒゲブトオサムシ属のインドシナからの4新種」。触角と胸部の形態がかなり違う。13は日本のクロオビヒゲブトオサムシの近縁なベトナム産種。

Maruyama, M., 2014. Four new species of Ceratoderus Westwood, 1842 (Coleoptera, Carabidae, Paussinae) from Indochina. Esakia, (54): 33-40.

https://sites.google.com/site/myrmecophiles/home/papers-english/118_Maruyama_Ceratoderus.pdf?attredirects=0&d=1

  

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1, 2, habitus and right antennal club of C. bifasciatus; 3, 4, ditto, C. jendeki (holotype); 5, 6, ditto, C. kentaroi (holotype); 7, 8, ditto, C. tonkinensis; 9, 10, ditto, C. yunnanensis (holotype).

11, 12, habitus and right antennal club of C.venustus; 13, 14, ditto, C. akikoae (holotype).