断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

朝一番でアンダラス大学へ。今日から運転手つきの車を借りることにした。
これは生物学科の建物。ヘニーさんという方が今回いろいろとお世話してくださった。ほかにも、サルの研究者、鳥の研究者、植物の研究者にお会いしたが、全員日本で学位を取られていて、日本語に堪能だった。

早速、手伝いの学生さん2名の案内で、大学の裏手の森に。ここはトラが出るそうだ。たしかに森はずっと山のほうに続いている。早速、2種のアリ共生オオバギを発見。マレー半島で見るウラジロオオバギとバンカオオバギである。また最後にバンカオオバギでメクラカメムシを発見した。幸先がよい。

裏手の森は湿潤でよい感じ。

採集する小松君とそれを見る学生さん。後ろはワラさん。

昼食は学生食堂で。ちゃんとしたパダン料理で、おいしいものばかりだった。

食後のコーヒーはインドネシア流で、細かく挽いた粉をお湯で溶いたもの。フィルターを通さない。東欧に行ったときにも同じようなコーヒーがあったが、そこではトルコ風と言っていた。

付近の国立公園オオバギの多いところがあるそうで、午後には森林局に行き、臨時許可が出ないか交渉をしに出かけた。結果は残念なものだった。
それから峠道に行き、車を止めてオオバギを採集した。マレーで散々見て、今回スマトラに来てはっきりわかったのは、アリ共生オオバギは多少とも良い環境にしか生育しないということであった。アンダラス大学の構内でも、入口付近の撹乱環境にはまったくなく、奥地の湿った環境に入ってようやく出現した。
帰り途、ドリアン屋台に車を止めてもらった。こちらではもち米と一緒に食べるそうだ。たしかにおかずのように味が濃いので、ちょうど良いかもしれない。ただしこちらのドリアンは味が薄く、キャメロンハイランドで食べる地取りのものよりさらに薄い感じ。味や風味の濃厚さではマレー半島のムサンキングには遠く及ばない。マレー半島の品種改良の高級ドリアンを食べると、他のドリアンがなかなか美味しく感じられない。


帰って標本を整理する小松君。