断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

元旦

 元旦を逃して昼近くまで熟睡した。

 起きてから雑煮とおせちを食べた。うちの雑煮は祖母の実家の風習で、千葉県九十九里風である。醤油仕立ての透明なつゆに鶏肉、蒲鉾、青菜を入れ、そこに大量の青海苔をかける。

 青海苔が特殊なものであることを知ったのは、大学院のときに正月を教室で過ごし、そこで各学生の実家の雑煮の内容を聞いたときだった。あとで「千葉県九十九里では雑煮に青海苔を入れる」と本で読み、祖母の実家の場所を思い出して合点した。

 

 学会発表の準備と論文原稿訂正を行う。年末から進めていた発表の準備はほぼ終了した。あとは練習と細かな訂正である。


 ※表題は永井荷風の「断腸亭日乗」から。研究により好きな昆虫採集にいけない日々である。虫屋が職務のために虫採りを我慢することを「断虫」という。なお、「断腸亭日乗」の完全版は大変な量なので、岩波文庫の「摘録 断腸亭日乗(上)(下)」を読んだ。