断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

今日はきちんと学会へ。道すがら、鹿児島の並木にはノキシノブや地衣がたくさん着いていることに気付く。そのことを広島大の山内君にいうと、広島では普通とのこと。藤原さんに聞いても、京都では普通とのこと。都内の並木では少ないけどなぁ。温暖化で東京の並木にもノキシノブが生えるのかなぁ。

いくつかの講演を聞き、午後はシンポジウム。外来生物に関するシンポを聞いた。小笠原の現状はなによりも深刻だ。これほど多くの生物が一度に絶滅した例は日本にはないだろう。

河上さんと昼食。相変わらずのパワーにちょっぴり圧倒される(冗談です)。

その後は外来アリの小集会へ。アルゼンチンアリに関する興味深いお話し。生息範囲はまだまだ狭い。いま動かないと一体どうなることか。いろいろな方の活動の実態を理解できたが、それで十分であるかどうかはわからない。他人事というわけではないが、手遅れにならないことを祈りたい。

ちなみに、アルゼンチンアリは撹乱地を好むようだが、その影響で真っ先にいなくなってしまうのは、クロヤマアリやトビイロシワアリだそうだ。これらの巣には必ずアリヅカコオロギやアリヅカムシがいるが(どちらも寄主特異性は強い)、アリと同時にいなくなってしまうだろう。また、好蟻性昆虫には移動能力の低いものの多いことから、一般にアリよりも地理的分化が進んでいる。一地域の寄主がまとまっていなくなってしまうと、その場所に固有な好蟻性昆虫の個体群までもがいなくなってしまうことになる。

外来アリと里山昆虫の合同懇親会へ。楽しかった。初めて井上大成さんとお会いする。その後は二次会へ。若手中心だったが、石井実先生も来てくださった。これまた楽しい時間だった。