断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

日本は寒の戻りらしいが、こちらも今日から再び少し冷え込む。週末にはまた雪が降るそうだ。

論文書きや解剖に精を出す。懸案の解剖は意外と難しくなく、すんなり終わった。しかし貴重な標本はかなり痛んだ。

今日解剖したブツの一つ。マレー産ケブカヒメサスライアリAenictus gracilisの雄。鈴カステラのようなおいしそうな色合いをしている。ところで、知られているフィリピン産の雄の標本とは全く別物のようだ。Wilson(1964)のモノグラフを見ても、同一種とされているものにも明らかに形態の大きく違うものが含まれているし、ヒメサスライアリの分類は泥沼かもしれない。少なくとも働き蟻の形態には限界があると感じる。

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ヒメサスライアリに関して調べごとをしていて、気になっていたものの正体が一つ判明した。Rosciszewski氏の同定である。こうやって証拠標本が図示されているといっぺんで問題が氷解する。

http://www.antbase.net/sprache-englisch/ants-southeast-asia/new-january-2007/aenictus-fergusoni.html