断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

こちらでは日本語の文献が読みたいときにちょっと困る。そうなるとネットに頼らざるを得ず、とくにWikipediaが有用なのだが、中には信用できないものもあり(多い?)、読んでいてイラっとすることがある。たとえば、「適応放散」や「R-K戦略説」を読むと、どうしてこういう説明になるのかわからない。どちらももともと意味のはっきりしない用語ではあるが、適応放散については、英語の「Adaptive radiation」の説明が簡潔でいいし、ドイツ語の「Adaptive radiation」の例がすごくよい。R-K戦略説については英語の「r/K selection theory」のほうが一般的だと感じる。知らない分野については鵜呑みとは言わずともかなり信じてしまうが、実名の著者が書いた責任のある文章にはやはり敵わないと思う。

長らく停滞していたケアリの分子系統の論文がようやく出せそうだ。最初はSIMMAPを使って、形態データをマッピングしたのだが、今ひとつ面白くない(アリでは)。別の方向からひねった結果、なかなか面白いものができつつある。すくなくとも樹形はかなり良いと思う。出す前にGenebankにデータを置こうと思っているのだが、それが思いのほかメンドクサイ。数ヶ月前にやろうと思ったが、投稿の目処が立たないのでやめていた。そのときもメンドクサイと思ったが、やっぱりメンドクサイ。科博のDNA実験室ではいろんな人が分子実験をしているが、プライマーノート以外のまともな結果を誰も出していない気がする。早く出して喝を入れたいな(というのも威張った言い方だが)。