断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

ここへ来て最初の大仕事は昨年末に亡くなった熊本の大塚勲さんのコレクションの受け入れで、いろいろとその準備をしている。2400箱という膨大な量である。大塚さんは熊本県の昆虫相解明に大きく貢献された方で、あらゆる分類群を網羅した質量ともに重要なコレクションである。九大はすでに日本最大の昆虫標本の収蔵を有しているが、世界から見たらそれでもまだまだ大きなものとはいえない。今後、うまく立ち回って、もっと大きな収蔵にできればと思っている。大塚コレクションの受け入れは、その「野望」を進める良い練習になりそうだ。

夕方、九大出身のハナアブ研究者である祝(いわい)さんに声をかけていただいて、福岡在住の虫屋数名で集まった。最近、純真女子短大に就職された石谷さんと高橋さん、アリの大城戸さん、秋から比文の助教に就任された細谷さん、それに出張で福岡に来ていた北大の先輩でミバエ屋の影沢さん。祝(いわい)さんは長崎の今坂さんの組んで熊本の昆虫相のリストを作っているそうで、それは大塚コレクションが重要な下地になるそうだ。こちらにとってもありがたい企画である。話は尽きず、あっという間に23時を過ぎてしまった。帰りに大城戸さんと「しばらく」でラーメンを食べる。