断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

オオズアリ属Pheidoleの系統論文が出た。膨大な種数を持ち、世界の温帯から熱帯にかけて分布も非常に広い。ただし圧倒的な多様性は新熱帯区にある。結果は明快で、旧世界の種は出島のように新熱帯の多様性に飲み込まれている。また、種子食性の有無は系統樹上に散在している。Alex Wildによるわかりやすいレヴュー↓
http://myrmecos.wordpress.com/2008/03/17/moreaus-pheidole-phylogeny/
doi:10.1016/j.ympev.2008.02.020
Unraveling the Evolutionary History of the Hyperdiverse Ant Genus Pheidole (Hymenoptera: Formicidae)
Corrie S. Moreau
Molecular Phylogenetics and Evolution: Article in Press
この結果を見ると、オオズアリと並んで汎世界的な分布を持つオオアリやシリアゲアリがどうなっているのかも気になる。とくにオオアリは熱帯から寒帯に広く分布し、地理的な分化と同時に気候への適応を考える材料として面白いと思う。