断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

畑のメキャベツが害虫に大人気で、毎朝、イモムシを取り除いて投げるのが一仕事。一番ひどいのはハスモンヨトウで、次はコナガ。ヒメナガメも汁を吸っている。ハスモンヨトウはどこかから歩いてやってくるようで、取り除いても取り除いても翌日には新しい幼虫が葉っぱをかじっている。ニンジンの双葉もハスモンヨトウがかじっていた。それに対して、ダイコンにはコナガがつく程度で、それほど害虫の被害は多くない。キャベツという植物はよほど無抵抗のようだ。もう少し涼しくなって虫が静かになるのが待ち遠しい。
今日は年に1度(!)の講義、「動物標本学実習:昆虫」だった。15人の受講者がおり、タイで採集したコメツキムシ、エンマムシ、サシガメの三角台紙貼り標本を作ってもらった。昆虫の大部分は三角台紙貼りで間に合うので、これを習得しておく価値は高い。もちろん全く経験のない人たちなので、単純な標本とはいえ、普通に教えたのではまともな標本は作れない。そこで、台紙の切り方(大きさ、先の鋭さ、形のよさ)、台紙の針ざしの仕方、平均台の使い方、刺した台紙角度、虫のさわり方、虫の貼り付け方、針の持ち方、ラベルの切り方、ラベルの刺し方などなど、これでもかというほど事細かに指導した。また、「大事な標本である」、「標本は歴史を背負うものである」ということを何度も念を押した。結果、平均して大変良い標本ができた。来週は希望者に展翅と展足の方法を教える。