断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

九大のフロントなんとかという制度(いちいち不要な英語を使わないで欲しい)で、理学部のM1の学生の指導を少々することになり、今日の午前中はその発表を聞いた。結果はまだまだ・・・・だが、分子系統と行動観察という地味な研究であるにもかかわらず、なかなか面白い。頑固だが研究に貪欲な学生なので、今後の戦いが楽しみだ。
京大M1でネジレバネを研究している中瀬君と昼に赤坂で待ち合わせし、「一竜」でラーメンを食べてから、城南区は油山の麓にある木船先生のお宅へ伺った。木船先生はネジレバネの第一人者で(本業は寄生虫)、目的は中瀬君を紹介することだった。一通りのご別刷りをいただいたうえ、中瀬君には貴重な本までお貸しいただいた。また、木船先生は若手の出現を喜ばれているご様子だった。驚くほど冴えていらっしゃって、なんと昆虫学会の中瀬君の講演番号さえご記憶だった。中瀬君はやる気があって優秀そうなので、それなりの成果を出すであろう。
今日は一段と冷え込み、初雪が降った。風邪が悪化したようで、赤坂の薬屋で買った風邪薬を飲んで誤魔化す。今週末の発表の準備が・・・。
最近は電車のなかで谷崎潤一郎の「陰翳礼讃 (中公文庫)」を読んでいる。文章の美しさに感動してしまうと同時に、日本の美の本質について今でも十分に共感できる。この前までは小川洋子の「薬指の標本 (新潮文庫)」を読んでいた。淡々と進む筆致で幻想的な世界が描かれており、思わず引き込まれ、間違えて2駅手前の「馬出九大病院前」で降りた。降りるべき駅は「箱崎九大前」なのだが、たまに「箱崎宮前」でも降りてしまう。「九大」と「箱崎」に反応してしまうのだ。