断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

昼は井田さんと卒業生の安藤さんと焼肉ランチを食べに行く。安藤さんは満腹セットを食べていた。
午後からレッドリストの追加を続ける。今後の審議で決まるのだが、多くの種を追加することになりそうだ。新規追加の大部分は水環境(池、湿地)に棲む種である。意外なものがリストから外れていたりして、今後議論になるだろうが、情報の少ない昆虫においては、危険性の高そうな種はできるだけ追加しておいたほうが良いように思う。それによって環境調査等による情報も集積される。
問題はレッドリストに掲載すべき文献のない種である。というよりも、甲虫ではほとんど文献がない。「XXで新しい種が採れた」という記録は多いが、あれば助かる「▲▲という種が絶滅した可能性が高い」という記録はほとんどない。ここへきて、新記録と同様に、居なくなってしまった、採れなくなってしまったという記録も重要だと痛感している。
たとえばこれまで環境省レッドリストに登場したことのないオオヒラタトックリゴミムシであるが、多くの地域、産地で絶滅したことは、多くの虫屋の共通認識である。しかし、それを示す文献というのはほとんどない。こういう種は勇気を振り絞って加えるべきなのかもしれない。
*追記:なんとオオヒラタトックリに関する文献は去年出版されていた模様。すばらしい。見なければ…。他の虫でも見つかればいいのだが。
**追記2:林さんのブログにも紹介されていたっけ。
http://d.hatena.ne.jp/hamusi/20090907

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クワガタ大図鑑が届いた。空前と謳っているのは伊達ではない。空前。他の本とともに、いずれ紹介します。
http://homepage2.nifty.com/mushi-sha/lucanidbeetles-zukan.html
おわり