断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

今日からジュネーブ自然史博物館Muséum d'histoire naturelle de la Ville de Genèveへ。朝ホテルを出るが、博物館行きのバスに乗るのに一苦労。知らない人に両替してもらったり、道を聞いたりして、ようやくバスに乗れた。
10時すぎに博物館に到着し、今回の受け入れ研究者であるメルツさんにロビーまで迎えに来ていただき、博物館の宿泊所に荷物を置いた。2部屋だけだが、展示室の中に宿泊所があり、不思議な感じ。展示室へもそのまま出られるし、別の通用口もあった。
今回の目的はForelによって記載されたヒメサスライアリの雄のタイプ検討。記載されてから100年ほどたつが、誰も研究していない。
Forelの標本はかなり整理が進んでいる。収蔵室は全昆虫一緒であるが、それでも科博の数倍の広さがある。。

いただいた机と顕微鏡。Forelのタイプは規則で解剖してはいけないそうだが、頼んで解剖させていただけることになった。

標本箱。種ごとにユニットボックスに分けるのが世界共通のやり方だが、日本の博物館の場合、これをやったら多くの施設で場所が足りなくなるだろう。

Forelは有名な偉人なので、昔1000フラン札の絵柄になっている。昆虫学者が紙幣の絵柄になるなんて、すばらしい。日本も松村松年や素木得一にしないと。

展示を少し見た。哺乳類と鳥類の展示がすばらしい。このトラ軍団の内容はすごい。左から、バリトラ、ジャワトラ、ベンガルトラ、アモイトラ、カスピトラ、シベリアトラ、マレートラ、スマトラトラ。このうち、バリトラ、ジャワトラ、カスピトラは絶滅亜種、アモイトラも絶滅の可能性が高い亜種とされている。こんなすごい剥製がホコリをかぶって剥き出しで置いてある。

日本産のトキは欧米の博物館では「普通種」。