断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

8時半起床。ラーメン。今日も早速、ヒメサスライアリ探しへ。片山君の切り倒した木に大きなルリタマムシの仲間が来ていたが、一瞬でブーンと飛び去る。他、クモゾウが数種せわしなく歩き回っている。滝のそばでアリグモ2種を得る。それぞれ別のトゲアリによく似ている。また、予想していたハリアリ擬態のアリグモも採集。今日は撮影と採集が同時にうまくいった。クモの仲間は液浸標本にするが、どうしても色褪せてしまうため、生時の撮影をしておいたほうがよい。名前を失念したが、派手で有名なハエトリグモを見つけた。撮影(ピンボケ)後に消え去られた。

その後も歩き回るが、ヒメサスライアリは見つからず。モトサスライアリは結局、トラップに集まらず、今日は全てのトラップを回収した。前回の12月もだめだったが、そのときも過湿だった。湿りすぎているときにはトラップに集まりにくいのだろうか。

14時過ぎに昼食を食べ、再び林へ。しばらくすると急に風が吹き、空が暗くなってきたので、急いで宿舎へ戻る。戻ったとほぼ同時に雷鳴とともに雨が降り始めた。片山君はMaschwitz valleyに行っているが、大丈夫だろうか。まさにバケツをひっくり返したような雨。お茶を飲みながら雨を見ていたら、全身ずぶぬれの片山君が帰ってきた。行きはヒッチハイクだったが、帰りは4kmの道のりを徒歩で帰ってきたという。その後はしばし昼寝。

18時過ぎに雨が上がり、起きだす。Rosliさんがご帰宅ということで、明日の予定を相談した。夕飯は野菜炒めとラーメンライス。疲れていると何を食べてもおいしい。

小松君は朝に足を軽く捻挫してしまったそうで、今日は宿泊棟の縁の下にあるウスバカゲロウの巣を見て一日を過ごしていた。ウスバカゲロウを専門に狩るギングチバチを見つけたり、ウスバカゲロウと全く同じような巣穴を作るアナアブ科という日本にはいないハエの幼虫の巣を見つけたようだ。小松君の博学には恐れ入る。

片山君は目的のヒメキノコハネカクシがずいぶんと採れたようだ。ちょうど雨が多く、キノコが非常に多いのが幸いした。「今回の採集品でなにか論文を書いてみたら?」と言ったら、ギョッとしていた。学部生の目線に立つのを忘れていた。

夕食後に再び林へ。光を消すと、ホタルやヤコウタケの光が美しい。川沿いにマツムシの仲間が合唱している。目的のヒメサスライアリは見つからず、明日は帰国なのでもうあきらめることにした。また来る理由ができたというもの。0時就寝。

写真:派手で有名なハエトリグモ(ピンボケ)。