断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

分類の研究というのは不思議なもので、こうやって、身銭を切って研究材料を集める人が多い。そういえば、科博で貝を研究している院生が、ある貝を15万で自腹で買ったといっていた。「これで論文がかけます」と。他の分野の人から見れば不思議に思えるかもしれないが、分類ののような物を扱う分野では、標本を他人から手に入れるのも、研究の主要な一工程なのだ。そもそも、広範な比較材料をすべて自分で採集することは不可能で、多くの場合、買うより安いものはない。またこういった交換や購入により、千載一遇の研究の好機を得られることもある。しかし残念ながら、日本では公費でこまごまと標本を買うのは難しい。