断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

「カイアシ類学入門―水中の小さな巨人たちの世界: 長沢 和也 著」

ある方から頂いた。前から気にはなっていたが、値段を見てなかなか手を出さなかった。

感想は非常に面白かった。カイアシ類という原始的な甲殻類が、地球上でこれほどまでに多様化し、生態的に重要な地位を担っているとは、この本を読むまで全然知らなかったことだ。20人程度の著者によるオムニバス形式の研究紹介で、どれも著者自身の研究のきっかけや研究環境の様子に触れられている。その親しみが研究紹介に興を添え、一気に読了してしまった。ある一群の生物の教養書としては、非常に充実した一冊といえる。

知名度ではマイナーな生物群なので、この本が売れるかどうか心配だが、もし内容を知っていたら、自分なら躊躇せずに買っただろう。

カイアシ類学入門―水中の小さな巨人たちの世界

カイアシ類学入門―水中の小さな巨人たちの世界