断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

こっちのアマゾンで購入。タイトルのとおり、北米のアリの属まで検索図説。各属、亜属、種群までの美しい標本写真(今流行の多層合成写真)が図示され、それぞれについて簡単な形態と生態の情報が説明されている。北米のアリを概観するには大変良い本。検索…

Bernhard Seifertの「中部・北部ヨーロッパのアリ(Ameisen Mittel und Nordeuropas)」をようやく注文することができた。出版社の「Lutra(かわうそ)」というところが非常に売る気のないところで、どうやったら買えるのかと聞いたところ、「一般の書店では…

日本に帰る前、日本にもって帰るために、こちらでいくつかの本を買っている。理由は日本への送料が浮くから。その中でガイドブックをいくつか。 アメリカとカナダのハンミョウのガイドブック。全種・ほぼ全亜種の標本写真、分布図、解説がある。完璧なフィー…

紹介し忘れていたが、科博にいたときに監修させていただいた本。鳥の部分は西海さんが担当。身近な鳥と虫が写真とともに解説してあり、それらを詠んだ俳句が引用されている。この手の本としては全体によくできていると思う。週末の趣味人に向けた本なので、…

世界の軍隊アリに関する最新の総説。間違いなく素晴らしい本だが、手放しで賞賛できる内容とはいえない。章分けの基準が偏っているように感じるし、本来は一ヶ所にまとめるべき内容が飛び飛びに解説されているので、必要な箇所が探しにくい場合がままある。…

表題の「塩の道」と「日本人と食べもの」、「暮らしの形と美」という、3つの章からなり、いずれも著者最晩年の講演内容を起こしたものだそうだ。昔から山奥の人は塩分の補給をどうしていたのだろうかと疑問に思っていた。やはり人間の体には必要不可欠なもの…

BoltonのカタログがCDになった。「Astonishing Army Ants」は先日ここでも紹介したもの。素直に面白い。 http://www.bioquip.com/specials/book_special.asp

マレーシア準備その2。これもなかなか良い。全体に写真がきれい(古めかしいが)。難しいコウモリも顔の拡大がある。惜しいのはネズミ類が少ないことで、同定には使えない。モグラも出ていない。大型種はだいたい出ている。また、種によって分布の記述が後の…

マレーシア用に10ドルで購入。なかなかヘビには出会えないのだが、見つけたときには名前くらい知りたい。トカゲやヤモリはよく見るが種数が多くて、なかなか覚え切れない。この本は小型でよくまとまっている。写真もとてもきれい。似たような本でカエルがあ…

大学の非常勤をしていたときに、毎度の講義の最後に15分間、作文をさせていた。しかし、多くの場合、その日本語があまりにも酷かった。文章力に関してわたしも他人のことはいえないのだが、あまりに酷いと就職活動にも差し支えるだろうといことで、この本を…

少し前から最近にかけて読んだ本。 「日本残酷物語」という一見B級映画のようなタイトルに臆してはいけない、といっても○○残酷物語という名称は、約45年前に出版されたこのシリーズを発端として流行したものだそうだ。明治から戦前くらいまでの日本の庶民の…

主題であるネズミの分類や生物地理の話しも面白いが、著者の研究の道のりや分類学へのさまざまな考えも大変興味深く、示唆に富むものだった。若手の分類学者には刺激的な本だろう。 ネズミの分類学―生物地理学の視点 (Natural History) 作者: 金子之史 出版…

思い切って購入。ノミバエの生態や分類に関する総説書で、図書室で一目ぼれした。また、ノミバエ科はハネカクシ科の次に好蟻性種の多い分類群であり、どうしても必要であった。ちなみに、日本のアマゾンでは恐ろしく高いが、こちらではそれもどでもなかった…

お正月に読んだ本。どれも少し前の日本には生きていた文化を紹介している。 同じ著者によるサンカ本が良かったのでこちらも読んでみた。春駒・デコ舞わし・鵜飼を紹介している。随所にある生身の人の話には感動せずにいられなかった。 日本民衆文化の原郷―被…

ピレネーのハネカクシ図鑑http://r.a.r.e.free.fr/staphylinidae%20english.htm 欲しいが迷っているところに、別件で著者から写真の同定依頼が来た。これだけきれいだと簡単に同定できる。Pella exceptaという種で、寄主は不明だが、よく似た色彩のシリアゲ…

以前から欲しかったが迷っていたもの。専門外文献にしては高かった。しかしこちらのAmazonではなんと32ドルで叩き売られていた!魅力的なオーストラリアの直翅類が多数のきれいな写真で図示されている。オーストラリアではキリギリス・コオロギ類Ensiferaの…

アマゾンで「この商品を買った人はこんな商品も買っています」で釣られて買ってしまった。とても面白かった。サンカとは川魚漁と亀漁を生業とし、冬は蓑や箒、竹製品を作り、非定住生活を送っていた人たちのこと。それで、本にいくつかの生物名が出てくるの…

ついに買ってしまった。Herbert Pontingの"In Lotus Land Japan"を。以前に紹介し、ものすごく感動した本「ハーバート・G. ポンティング:英国人写真家の見た明治日本―この世の楽園・日本」の原版で、電話帳のような大著である。何で買ったかというと、和訳…

新しい本を。 面白い。とにかくおすすめ。だいたい、タイトルが強烈ではないか。著者には一度お目にかかったことがあるが、とてもさわやかな印象だった。文章も安心して気持ちよく読める。こういうのんびりとした気持ちになれる文章を書きたいものだと思った…

日本昆虫学史上の二大巨頭の本を2つ。 日本昆虫学の祖であり、北大昆虫学教室の創始者の自伝。とにかく痛快。次の九大昆虫学教室を作った江崎悌三の繊細さとは対照的で、この違いは今でも両者の学風に生きているような気が・・・しないでもない。入手困難な…

あまり書くことがないので、思いつく昆虫の本、他のブログでは紹介されにくそうな本を選び出す。 尊敬してやまない佐々治先生のテントウムシ研究集大成。面白い。 テントウムシの自然史 (Natural History) 作者: 佐々治寛之 出版社/メーカー: 東京大学出版会…

「忘れられた日本人」を読みはじめる。もったいないので時間をかけて読みたいのだが、なかなか途中で擱くことができない。 忘れられた日本人 (岩波文庫) 作者: 宮本常一 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1984/05/16 メディア: 文庫 購入: 49人 クリック: …

↓かなり良い。いうなれば生態大図鑑で、説明も結構充実している(まだ詳しく見ていませんが)。とにかく生態写真がきれいで、楽しい昆虫図鑑。かなりの分厚さで、ほとんどカラーなので、この値段は相当お得かも。アメリカだと59ドルだけど、こっちで買って持…

↓おかげさまでかなり売れているらしい。二版もあるかな。 森と水辺の甲虫誌 作者: 丸山宗利 出版社/メーカー: 東海大学出版会 発売日: 2006/09 メディア: 単行本 購入: 3人 クリック: 98回 この商品を含むブログ (9件) を見る ビクトリア湖のシクリッドがナ…

帰りの電車で「柳瀬尚紀:翻訳はいかにすべきか」(岩波新書) を読了。題名に騙されてはいけない。「いかにすべきか」という具体的な指導は最後の最後まで出てこないので、何かを期待しながら読んでいたら裏切られる。しかし、具体例の数々には思わず唸ってし…

山形の永幡氏から「文・井村有希 写真・永幡嘉之:リシリノマックレイセアカオサムシ-さいはての島の小さな奇跡-」がとどく。とにかく写真が素晴らしい。また、「むし社(編):初めての昆虫採集」も一緒に頂戴した。この本も大部分を永幡さんが書いている…

「大久保憲秀:動物学名の仕組み 国際動物命名規約第4版の読み方」が届く。ぱらぱらとめくってみるが、想像していた以上に重厚な内容で、いろいろと勉強になりそうだ。体系学に命名規約の理解は不可欠だが、誤解や曲解をしている著者や雑誌は国内外を問わず…

「藤原正彦:若き数学者のアメリカ 」を読んだ。先日読んで強く共感した「国家の品格」と同じ著者であるが、たまたま東京駅の書店で目にし、面白そうだったので買ってみた。ポスドクの数学者がアメリカに辿り着き、試行錯誤の生活のなか、(すごいことに)や…

昼過ぎに「バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑」が届いた。もらえるとは思えなかったので、素直に大喜び。 パラパラとページをめくり、その重みを改めて感じた。本当に大変な労作である。全447種25亜種の直翅類が4500枚を超えるカラー写真、しかも原則とし…

いま売れている「藤原正彦:国家の品格」を読んだ。共感することばかりで、うなずきながらあっという間に読み終えてしまった。中途半端に感想を言っても仕方ないが、全体を通じて語られている、論理だけでは社会がまわらないこと、情緒や美的感覚こそ大切であ…