断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

アメリカへ来てすこぶる胃腸の調子が良い。ビールをかなり飲んでいるのが良いのかもしれない。

スロバキアのHlavac氏を筆頭に、Newtonさんと私でアリノスハネカクシ族のカタログを作っているが、その作業が本格化した。わたしの担当は新情報の追加(アメリカの研究者が行った誤った措置を直す)と寄主アリとシロアリの正確な学名の確認である。大変なのは後者。1800年代の文献と今とでは、学名も大きく変わっているものが多い。たとえば、100年くらい前には、LeptogenysはLobopeltaが長らく使われていたようだし、MacrotermesなんかはみんなTermesだったので、種小名から現在の学名にあたらなくてはならない。それよりもっと前には、ヤマアリ亜科の多くはFormicaだったし、同定のも問題や種分類の問題があったので、正確な同定がかなり困難な場合もある。

ようやくPPT作成が終わった。発表の2週間前には終わらせるという、いつもの自分への課題はなんとか果たせた。これから2週間は練習をしながら手直しを続けるつもり。前にも書いたが、修士のころに比べると、年々、口頭発表というものに慎重になり、準備に時間をかけるようになってきた。学生のころ、クワガタのA谷さんの発表を見て、「うまいからマネしよう」といつも思っていたのだが、マネをすると不自然になること、そもそも性格上不可能であること(普段の話し方が発表にも出るものだ)に気づき、せめて飽きられない程度に面白いものを作ろうと思うようになってきた。発表といえば、昔研究室に舞台俳優がいたが、その人の話し方は本当に上手かった。人前で上手に話すというのは、やはりそれなりのものだ。