断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

8時半起床。昨晩は23時に就寝したので、とてもよく寝たことになる。みな疲れたのだろう。早速、おのおの採集へ繰り出す。私はサスライアリトラップの見回り。残念ながら、9割方がイノシシに抜かれており、籠ごと食い破られているものも少なくなかった。籠は最小限に使用することにし、大半の籠を引き上げて川で洗った。

その後、鶴君がマレーズトラップを移動するので、その下に置かせてもらっている受け皿も移動する。

昼近くになって急に大雨が振り出した。今日は朝から気温が高かったせいだろう。15時過ぎ、やがて小雨に落ち着き、再び森へ出る。その間、鶴君はマレーズトラップのソーティングを行う。帰ってから研究室でやるよりも、現地で済ましたほうが気楽だという。たしかにそうかもしれない。私はサスライアリのトラップの見回りの続き。その後、再び雨がひどくなったので、宿舎へ戻ってお茶を飲む。

16時半ごろ、小松君がヒメサスライアリを見つけたというので、急いで見に行く。すでに森の中は薄暗く、ライトを点灯する。木の根元に8日の小型種と同じものがおり、丹念にビバークを探し、周辺の土を篩いにかけると、Malaybergiusが落ちてきた。働きアリは蛹咥えており、ビバークは近い。掘り進めると地下にシロアリDicuspiditermesの巣があり、それは後で解体すべく、横へよける。こんどこそこのヒメサスライアリの女王を採集しようと、さらに掘り進めると、シロアリの塚の下に働きアリの密度の高い場所があり、その中にとうとう女王を発見することができた。このような種の女王の発見は貴重だ。塚の周辺にはProattaの巣もあり、女王も得ることができた。働きアリの頭に角が生えていて可愛らしい。

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宿舎へ戻り、シロアリの塚を解体する。驚くほど多くのハネカクシがおり、1種のみだが、あわせて200頭ほどを一挙に採集できた。シミは無数にいる。作業中、手元にヒメサスライアリの雄が飛来した。

気付くと20時半近くなっており、急いで夕食を作る。雨がひどいが、再びサスライアリのトラップを見に行くと、そこそこの数のサスライアリが集まっていた。持ち帰って篩ってみるが、まだ密度が薄く、蟻客は見つからなかった。とりあえず集まり始めたのをよしとし、明日からに期待したい。

数日前から夜のたのしみができた。これから毎晩採りに通うことになるだろう。おたのしみから戻ると宿舎の明かりにヨコヅナアリの立派な雌が来ていた。小雨の降るなか、今晩は羽アリが非常に多い。

シャワーを浴びてしばらくしたら、小松君が戻ってきて、宿舎の庭でヒメサスライアリを見つけたという。駆けつけると驚くほど微小な種であった。働きアリに大小の2型があり、これがA. inflatusか、と思ったが、この種の特徴であるコブらしいものが見当たらず。

まだ目標には達していないが、悪天候のなか、今日もなかなか成果があった。