断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

7時半起床。今日は朝から6キロほど離れた採石場奥の歩道(通称、Maschwitz trail)へ行くことにし、管理人の方に頼んで送り迎えしてもらうことになった。

9時半に出発。採石場の門を通り抜け、採石場のある谷沿いに森の奥へと進む。来てからというもののGombakには雨が降らず、ひどく乾燥している。そのため川沿いを除いて虫が少ない。本来この場所はアリの種数が多いのだが、今日は林縁性の普通種ばかりで、種数自体が非常に少ない。

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それでも、ベニボタル色のゴキブリや毒々しいハグロゼミは初めて見るもので、宿舎の付近とは昆虫相がずいぶん違うことに気付く。

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2時間半ほど歩くと、猟師がイノシシ狩りに使用している小屋に着いた。毎回この場所へ来ているが、ここまで奥へ来たのは初めてである。途中に大きな池やきれいな渓流もあった。

目的のアリが全く見つからないので、林内にあるシロアリの塚を物色する。おなじみのDicuspiditermesのものが大半で、たまにHospitalitermesの大きな塚があるが、不思議なことに全部留守で、その廃墟を利用してDicuspiditermesが営巣しているものが多い。Dicuspiditermesの塚を4つほど解体し、ハネカクシ(Feldini族とHypocyphtini族の合計3種)とシミをそれぞれ100頭程度得る。ハネカクシもシロアリも昨日とは別種である。乾燥のため、ヒルも蚊も非常に少なく、それによって採集はしやすかったが、虫の成果は少なかった。鶴君と小松君も同様だったようだ。ヒルや蚊が多いほど虫も多いのは一種の法則といえる。

16時に迎えの車に乗る。塚を崩している正味1時間以外は、30℃を超えるなかをずっと歩いていたので、疲れて声が出なかった。シャワーを浴びて洗濯をしたら、急に曇ってきて雷鳴が轟き始めた。しばらくして見事な土砂降り。これが恵みの雨になればいいのだが。

夕食後、雨の合間を縫って小松君は森へ。サスライアリのトラップは案の定、ヨコヅナアリに攻め立てられつつあるそうだ。しかしいることがわかってよかった。今後は周囲にトラップを埋めてサスライアリの来る隙を作るしかないだろう。

小松君がまたとんでもない発見をしてくれた。好蟻性(と形態から確信していた)のコガネムシの寄主を解明してきてくれたのである。写真もばっちり。

今晩はうるさい虫の飛来が少ない。風が水のように涼しい。