断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

7時起床。シャワーを浴び、ホテルの朝食をいただく。その場で焼いてくれるオムレツがなかなか良かった。

9時半にワタナさんがホテルのロビーへ来る。まずは大学の車で構内にある国立公園局へ行き、荷物を降ろし、ワタナさんの事務所へ行く。虫のジオラマが飾ってあり、非現実的なものではあったが、なかなか楽しかった。

11時ごろにピックアップトラックのレンタカーが到着した。荷台に大荷物を積み込む。運転手付きで、1日1300バーツとのこと。途中、巨大スーパーに寄って、日用品や追加の採集道具を買う。あらゆるものが一つの階で手に入る。マレーシアでもこういうスーパーがあったが、とても便利でよい。熊手、バケツ、洗剤、果物、水など。蓋付きバケツの絵柄が・・・。

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13時ごろに道沿いの食堂で麺を食べる。どこでも同じだが、麺に4種あり、ビーフンの細いのと太いの、きしめんをさらに太くしたようなもの、ラーメンのような黄色いものがあった。ラーメンを選んだが、ひき肉、豚肉、豚の皮を揚げたものが入っており、ものすごく美味しい。小松君とワタナさんは牛肉入りを選んでいたが、汁が黒く濁っており、味付けが違うようだった。

14時半にKhao Yai国立公園のロッジへ到着する。3部屋あり、ベッドは10個。なかなか快適そうだ。玄関に屋根付きの広い作業場があるのがよい。ただし机がないのは不便。

まずはワタナさんと二人で、公園の管理事務所へ行く。とくに嫌な印象はなかったが、ものすごく威張った所長の方がおり、その人がワタナさんへ投げかける叱咤激励と雑談を、全く意味が分からないが、ウンウンと聞く。最後に「名古屋の女はきれいか?」と英語で聞かれるが、よりによって質問が悪い。

17時にロッジを出て、FITを仕掛けに行く。すでに森の中がうっすらと暗くなっていたので、今日は30基のみとする。ビジターセンターの裏手にある歩道で、少し上ったところに平たい場所があり、そこに仕掛けることにした。行く前に昨年訪れた野村さんに地図を書いてもらったのだが、それによるとヒゲブトオサムシが採れた場所である。手前で片山君がアオハブを見つけていた。片山君と2人がかりだが、終わったら18時半を過ぎていた。蚊は少ないが、ヒルの多さは半端ではない。30秒歩くのを止めると、必ず数頭が長靴にくっついてくる。

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夕飯はビジターセンターの前にある食堂。5件の屋台のような店があり、そこで注文する。今晩は閉店間際だったので、全員チャーハンにした。とてもおいしい。

食後、FITを仕掛けたあたりで小松君がヒメサスライアリの一種Aenictus sp.を見つけたので、それを見に行く(Ae1)。30分ほど仮巣を探すが、藪のなかで見つからず。行列上にかろうじてハネカクシを見つける。なんとAenictocelptisという属の新種だった。インドシナからの記録はない。他にもハネカクシはいたはずで、仮巣が見つからずに非常に心残りだった。

今回の目的はヒメサスライアリのハネカクシである。インドシナでは1種のアリAenictus binghamiから2種のハネカクシの記録があり、そのうちの1種Aenictophila thailandicaのDNA用標本がどうしても欲しい。また、とにかく記録がないので、他のアリから採れれば、まず間違いなく新種か新属である。その他の好蟻性甲虫もタイからの記録は少なく、とにかく採れれば新種や新属ばかりという状況が期待できる。この旅行では1日1新種を目指したい。

それにしても慌しい一日だった。22時に就寝。

KTは小松貴、KYは片山雄史、MMは私の撮影です。