断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

8時半起床。疲れていたのだろうか、まだまだ寝不足が解消されていなかったのだろうか、とても気持ちよく眠ってしまった。

そのまま採集のしたくをし、朝食にカフェテリアへ向かう。宿泊ロッジから食堂へは車で10分ほどの距離がある。豚肉と太い麺のスープをいただく。

まずは昨日のFITを確認しつつ、その付近で採集する。大きなトカゲCalotes sp.がFITの脇に穴を掘って産卵していた。片山君が撮影するが、卵を写そうとしたら怒って噛み付いてきたそうだ。歩道を進むと池があり、甲羅のギザギザしたヤマガメの仲間が日光浴をしていた。

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季節柄、昼間の虫は少ない。歩道にハシリアハリアリの移動行軍があり、そこを眺めていたら、なんとチビシデムシを見つけてしまった。姿はそれほど変っていないが、行列をきちんと追っており、間違いなく好蟻性と思われる。

12時半に昼食。ひき肉とヤングコーンを辛く炒めたものと揚げた玉子を乗せたごはんにする。それにソムタム(パパイヤのサラダ)。ソムタムはワタナさんが唐辛子を減らすように注文してくれたようで、それほど辛くなかった。

その後、別の場所へFITの設置に向かう。ゾウの現れる場所の近くのKM33という場所で、シロアリの塚の多いなかなか良い林だった。歩道の入り口に看板があり、その屋根裏にヘビを見つけた。猫目の美しいヘビBoiga cyaneaである。FITの針金で引っ張り出し、小松君が撮影した。

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途中「Tiger Zone」と書かれ、トラの絵のある看板があった。あちこちにゾウの糞がある。FITをかけているとにわかに雲がたちこめ、パラパラと雨が降ってきた。FITが仕掛け終わると同時に食堂へ避難する。

ワタナさんは我々がFITを仕掛けている間にシフターで土を採集しており、それを持参のツルグレンに仕掛けるためにロッジへ戻った。まもなく雨はやみ、食堂の周りを散策する。ここにもヒルが多い。何もない芝生の上にいても、見渡す限りのヒルがこちらへ向かってくる。

ワタナさんが戻ってきたが、電球が切れていたので、運転手さんが電球を買いに行くという。ワタナさんの案内で食堂裏の歩道を少し歩く。倒木が多く、皮をはいだり、表面を観察したりし、ゴミムシダマシ、ゴミムシ、ハネカクシ、エンマムシなどを採集する。

その後、再びビジターセンターの裏の歩道へ行き、こんどはウィンクラー装置にかける土壌を採集する。私が熊手で地表の土をかき集め、それを片山君がシフターで篩い、虫を含む細かい土壌を選別する。大変なのは片山君のみである。

そうこうしているうちに薄暗くなってきた。小松君が眺めていたハシリハリアリの行列から無翅のノミバエを得た。雉撃ちに行き、2分ほどズボンを下ろすが、再び履いたとき、尻の付近に妙にひんやりとした感触がある。あとで3頭のヒルが血を吸っていたことがわかり、ズボンの一部が血に染まってしまった。

6時半に夕食。夕食はオムレツを乗せたごはん。

夕食後、まずはカフェテリア裏の歩道へ。期待通り、倒木に甲虫が多い。ゴミムシダマシを中心に、ゴミムシなど。次にビジターセンターの裏の歩道へ行き、倒木や生木の樹皮上でいろいろな甲虫を得た。今日だけで50種近い甲虫が採れた。

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22時にロッジへ戻り、ウィンクラー装置を組み立て、土壌を設置した。片山君のラオスのお土産話を聞きながら紅茶を飲み、冷たいシャワーを浴び、0時就寝。かなり涼しいので、冷たいシャワーは少々刺激的である。