断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

長い触角をもち、雌が長い産卵管を有するキリギリスやコオロギの仲間は、Ensiferaと呼ばれる。鳴くのが得意で、多くは左右の翅を擦り合わせて大きな音を出す(無翅のものは除く。コロギスなど翅を擦らないものもいる)。一方、同じバッタ目(直翅目)でも、触角が短く、長い産卵管を持たないバッタの仲間はCaeliferaといい、この仲間は翅を使って鳴くことができない。目立った発音をしないものが多いが、発音するものは、後脚の腿節を翅に擦り合わせて音を出す。
このバッタは、そういった鳴き方を進化させたのかもしれない。雄の腹部は風船のように膨らみ、そのつけねにノコギリ状の突起があり、そこと脚を擦り合わせて音を出す。空洞の腹部に音が共鳴し、かなりの音になるという。奇妙なバッタがいるものだ。南アフリカ周辺に固有のPneumoridae科に属する。
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後脚の基部を中心に突起が弧を描いている。芸が細かい。